情弱は“出会い”においても不利
― 「スマホ出会い系アプリ」がエロカオス状態【6】 ―
◆“新・出会い系”時代に突入。今こそ苦手意識を克服せよ!
iPhoneやアンドロイドに端を発する「新・出会い系」時代とは?『セックスメディア30年史』(ちくま新書)などの著書で知られる評論家の荻上チキ氏に聞いた。
「ひとつ言えるのは、努力次第で出会いを実現できる出会い系サイトと、サクラだらけで実際の出会いを経験できない『出会えない系サイト』があるなかで、スマホのアプリはいわば『(個人の裁量で)出会えてしまう』系。『カカオトーク』しかり『ドキドキ郵便箱』しかり、現状ではユーザーの自己責任のもとに交際メッセージが自由に飛び交っています。ただ今後、売買春目的の露骨な書き込みが増えるようなことになれば、当局は黙っていないでしょう。SNS系のコミュニケーションツールとして有効に使っている人が多数を占める一方で、一網打尽にされる可能性を秘めているのが、今の状況でもあるのです」
戦国時代に突入したスマホの出会い市場がいまや“浮世の華”ということか。華が散る前に素敵な出会いを得ることはできるのか?
「『出会えてしまう』アプリをうまく活用できているのは、ITリテラシーが高い一部の人だけです。リテラシーの低い情弱ユーザーのままでは、今までと何も変わらないどころか、従来の悪質なサイトに騙されてお金を取られ続けるでしょう。このような状況を勝ち抜くためにすべきことは、例えば下調べとして、2ちゃんねるの出会い系サイトの板に行くなどして、『この前こんなコに会おうとしたけどダメだった』みたいなユーザー同士のリアルな情報交換(口コミ)として機能しているスレッドを見るなど、情報感度を高める努力をするべきなんです」
「新・出会い系」時代は、情報新時代でもある。「勝者」となるためには、今までと違う戦術が必要なのだ。先走った気持ちだけでは、これまでと同じように淡い期待を持つだけで撃沈してしまうだろう。IT苦手意識の克服こそが勝利への近道なのだ。
【荻上 チキ氏】
評論家・編集者。メールマガジン『αシノドス』編集長。近著に『検証 東日本大震災の流言・デマ』(光文社新書
取材・文/小野田 衛 紺谷宏之(BOOK SHERPA)
『セックスメディア30年史』 日本には多様なセックスが溢れている |
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