ブラジルはサッカー商戦まっただ中、反対派のアート作品も【現地レポ】
―[ブラジルW杯現地レポ]―
サンパウロのストや過激派によるデモはここリオデジャネイロでも連日伝えられているが、街中は徐々にお祭りムードが増してきた。
記者が宿泊するコパカバーナ周辺は早くも各国のサポーターが集結し始めており、クロアチア、コロンビア、メキシコ、アルゼンチンなどのユニフォームを着た人々が海岸近くの飲食店で気炎を上げていた。
一歩入った住宅街は窓からブラジル国旗を出す家、七夕飾りのように短冊を飾るところなど、街が緑と黄色に色づきはじめている。また多くの飲食店は、店員が全員ブラジル代表を模したユニフォーム姿で接客に当たっている。
地下鉄・ウルグアイアナ駅周辺の商店街では、セレソン(ブラジル代表)商戦まっただ中。家族や近所の人とテレビ観戦するための飾り付けや、コスプレ衣装などが飛ぶように売れていた。記者も緑と黄色のカツラやメガネなどを購入したが、店員の女性は「リオの人はお祭り好きだから、こういう応援道具を買うけど、デモとかの報道があるからあんまり売れ行きは良くないわね」と苦笑いしていた。
リオで最も格式があり、高級なホテルのひとつである「コパカバーナ・パレス」前のFIFAのファンフェスタの会場に行ってみると、こちらは昨日のマラカナンの駅と同じく作業員がせっせとアトラクションやパビリオンの建設に励んでいた。
すぐ横を見るとW杯の開催に反対するアート作品が砂浜に建てられていた。ボロ屋と墓場、そして赤い十字架の書かれたサッカーボールのオブジェ。垂れ幕には「公金を使い、道徳が破綻した、みじめな国のW杯」という皮肉が込められたメッセージに多くの観光客や報道陣が足を止めていた。
以下はフォトレポートです。
⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=658935
●各住宅街で競うように飾りつけが
●リオのアメ横、ウルグアイアナ駅周辺ではパチモノユニフォームを買い求める人が
●バンデイラ(国旗)だらけ。日本ではこうはいかない
●緑と黄色の飾りを売る店に主婦が殺到
●正月飾りのよう
●謎のかぶりものも豊富。ちょっとワクワクする
●メガネも種類が豊富。もちろん即購入です
●巨大スクリーンがあるファンフェスタの会場
●囲いの外から覗くと、スポンサー企業のパビリオンが
●“あと2日”を示すカウントダウン時計
●W杯に皮肉たっぷりのメッセージ
●貧しい子どもたちの写真も
●ファンフェスタ会場も急ピッチで…仕上がるか?
●多くの観光客やサポーターが貧困のオブジェに足を止めていた
<取材・文・撮影/遠藤修哉(本誌)>
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