内部被曝対処に「高額サプリは不要」
福島県で「髪の毛から内部被曝がわかる」として検査を行っていた業者が「詐欺の疑い」で注意を受けた。だが、これは氷山の一角にすぎず、「内部被曝検査」をエサに、放射線に怯える人たちを騙す悪徳業者は後を絶たない。彼らの不可解な検査方法とその手口とは?
◆ネット上で集めた顧客情報を使い、サプリを訪販!
「内部被曝」という文字をエサにした怪しいビジネスの代表格とも言えるのが、サプリ販売。原発事故後、ネット上には科学的根拠に乏しいサプリを販売する業者が後を絶たない。サプリ販売業者のSは言う。
「もともとネット上でアフィリエイトをやっていた連中がサプリ販売もやり始めたんですが、アマゾンで売っているものを転売するだけで結構売れた。自分たちが始めた当初は、1万5000円くらいのゼオライト系サプリが流行っていたけど、長続きしなかったね。ただ、その後もアップルペクチン、スピルリナ、キチンキトサン……と、次々に新商品が出てくるから当分は稼げるんじゃないかな」
また、最近増えているのが訪問販売だ。
「ガイガーカウンターの販売業者などから顧客情報を入手して、訪問販売するんだ。通販番組みたいに『1瓶1万円の商品が今なら3本で2万円』とかお得感を煽れば、高確率で売れる。今の売れ筋は、『幼児用内部被曝対処』と書いた商品だね」
この状況に「高額なサプリは不要」と断言するのは、子供の内部被曝に警鐘を鳴らし、給食検査を提唱する東京大学大学院・早野龍五教授。
「南相馬市のWBCの結果、給食や食卓検査の結果から内部被曝量は福島県内においてもかなり低いことが示されつつあります。こうした内部被曝リスクが低減していくなか、しかも流通している食料品を摂取している人にサプリメントが必要とは思えません」
サプリは、あくまでも健康食品の一種。にもかかわらず、原発事故の影響が長引けば長引くほど販売業者の手口が巧妙になっていくとは、皮肉なものだ。
― 内部被曝[悪徳検査ビジネス]の手口をバラす!【2】 ―
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