[女子高生のぞき部屋]経営者「逮捕には納得いかない部分もある」
― [女子高生のぞき部屋]逮捕経営者を直撃【1】 ―
「雑誌に載らなければ逮捕はなかった……」。
本誌が追い続けた新風俗ビジネスの結末とは
「反省しているが、納得いかない部分もある。」本誌が幾度となく取材し、その問題をリポートした「女子高生のぞき部屋」。その経営者が5月18日に逮捕され、略式起訴された。出所後、本誌に届いた一通のメールには「忸怩たる思い」が綴られていた。この店を追い続けたライターが経営者を直撃した
私とT氏とは少なからず遺恨があった。1月、記事を書くため店で働く女子高生らに直撃取材をした際、それが見つかり路上で口論になったのである。該当記事が世に出ると、T氏は私の名刺を拡大コピーして店でバラまいたのだ。
6月14日、都内で彼を直撃した。
「その節はすいません。報復を考えた場合、この方法が一番効くと思ったんです。でもウチも無断で記事を書かれたわけだし、これで痛み分けかな、と」
「横浜マンボー」(旧J―KEN)の元経営者・T氏が釈放から15日目にして、初めて口を開いた。「18歳未満の女子高生らをのぞき部屋の従業員として雇い、客に下着姿を見せていた」として、労働基準法(危険有害業務の就業制限)違反の罪で略式起訴(30万円の罰金刑)を受けたその人である。
――この商売を思いついたきっかけは?
T 構想は20年前からありました。ブルセラ全盛時代、女子高生が歩いていると、必ず男の人が何人かついて歩いているな、という光景をよく目にしまして、これは商売になるんじゃないかと。
――ご自身が女子高生好きという一面があるということですか。
T 若いコは好きですけど……ヤツらをどうこうしようって思いはないですね。開業するにあたり、弁護士に相談したら、当局に聞いたほうが早いと言われました。で、神奈川県警の本部と所轄の戸部警察署の生活安全課の担当者に聞いたら「前例がない」と門前払い。それで見切り発車したところ、戸部警察署の警察官が来て、「面白いねぇ」なんて言ってたんです。当時は体育座りもしてなかったので「摘発は無理」と思ったんでしょう。その後も伊勢佐木署の警察官らが頻繁に来てましたけど「いいアイデアだね」と。特に注意もなくそればかりでした。
――一方で、この商売は違法ではという認識はありましたよね。
T 限りなく黒に近いグレー、という認識は当然ありました。
――では、体育座りなど過激なポーズをさせれば摘発という結末を迎えることも?
T はい。でも閉店に追い込まれることはあっても、まさか逮捕されるとは思いもしませんでした。実は、店には県の青少年課の職員も何回か来ていました。それで「体育座りをしちゃいけないなんて条例作れますか?」って聞いたら、
「無理です。でもなんとか店をやめてくれないか」と。「なら夏くらいでメドをつけてやめますか」という話をしていた矢先でしたからね。
取材・文/高木瑞穂 撮影/野中ツトム(清談社) 写真/産経新聞社
※(編集部注)元経営者は逮捕されたが、略式起訴処分を受け釈放されたため、本文内では匿名、写真には加工を施しています
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