更新日:2014年01月08日 16:15
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なぜ人は行列するのか? 心理と店側の戦略

なぜ日本人は行列が好きなのか。ラーメンやスイーツを食べるだけのために長時間を費やしたり、時間がたてば並ばずに買えるようなものまで並んでみたりする。識者に「行列に弱い」人間の心理と、それを利用した店側の戦略を解説してもらった ◆「行列に弱い」人間の心理とそれを利用した店側の戦略とは
上則直子氏

上則直子氏

 つい行列に並びたくなる人間の心の動きとは? 「社会的動物である人間は、情報が不確かなときは他者の行動を参考にします。お客さんの少ない店よりは行列店に入りたくなりますし、行列店に入ることで、多数派に所属した安心感も得られます」  そう話すのは日本カウンセラー学院講師の上則直子氏。では行列に並びやすい人の特徴は? 「『自分はこんな人間だ』という自己確証が弱い人、自分の選択に自信が持てない人などです。なお行列店の料理が期待はずれの場合も、並んだ時間とお金のコストは消えないため、人はおいしかったと思い込もうとするんです」  そんな「行列に弱い」人間の心理は、店側も上手に活用している。 「あえて『注文後に調理』『営業時間の短縮』『店を小さく』などの制約を設け行列をつくる店もあります。レストランなどは予約が取れないのも人気の要素ですから。なお安価で気軽な食べ物ほど行列はつくりやすく、ラーメンやポップコーンなどはその一例です」
大久保一彦氏

大久保一彦氏

 そう話すのはフードコンサルタントの大久保一彦氏。PR会社に月額数十万円を支払い、露出を増やして行列をつくる店もあるという。 「マスコミが集中して人気店が生まれれば、チェーン店が後乗りし、ジャンル自体がブームになります。少し前のロールケーキや最近のパンケーキなどはその典型例です」  意図的につくられた人気店、行列店も実は多いというわけだ。 「ただ、途中からは味の勝負になるので、マスコミから人気が出た店よりは、口コミで拡散した店のほうが行列は続きます。また地域の名店になるような店には、名物店主がいることが多い。最後は人が支持される店が残るんですよ」 【大久保一彦氏】 多くの繁盛店のブレーンとして活躍するフードコンサルタント。食べログレビュアー・ジェームズオオクボとしても活動。『儲かる!売れる!繁盛店のアンケート術』など著書多数 【上則直子氏】 日本カウンセラー学院講師。付属のカウンセリングルーム・ホリスティックハートのカウンセラーも務める。社会心理学の視点から、「行列」に関するメディア取材に対応している 取材・文/SPA!人気行列店に並んでみ隊 撮影/高仲建次(Butch氏) ― この冬[行列のできる店]に並んでみた【9】 ―
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