昭和の歌謡曲がキテる!「ヤバ歌謡」DJが選ぶサラリーマンにおすすめの5曲
⇒【画像】はコチラ https://nikkan-spa.jp/597566/yabakayou_2
◆バブル気分でとにかくアガりたい時の一曲
成田勝/『TURN AROUND AND COUNT 2 TEN』
DJフクタケ氏「自宅で一人寂しくカップラーメンを食べている時などに聴きたい一曲。バブルの時にディスコで流行った曲で、ユーロビート系の日本語カバー曲の決定版的存在です。今回のミックスに入れたのは、80年代の楽曲はまだクラブで再評価されきっていないと思っていたから。自分が中学生のころに原曲が流行っていて、テレビドラマのディスコのシーンなどでは頻繁に流れていたので印象に残っています。日本語カバーの存在を知ったのは大人になってからですが、強烈でした。テンション上げたいときはユーロビートのアッパーな曲がハマりますね」
◆納期に追われて焦っている時の一曲
サニー・トーンズ/『恐怖の町』(怪奇大作戦)
DJフクタケ氏「円谷プロの特撮ドラマ『怪奇大作戦』のエンディング曲です。作風に合わせたスリリングな展開のジャズグルーヴがヤバいです。当時のアニソンや特撮ソングを聞いてみると、子どもだましという感じはなく、大人の鑑賞に耐えうる職人的なミュージシャンの仕事ぶりに感動させられます。この曲には、『ギャー』というようなショック系の絶叫も効果音的に入っているので、集中力が切れかけたり、睡魔に襲われたりした時にも絶大な効果を発揮すると思います」
◆勝負ごとに挑む時の一曲
野坂昭如/『通せば天国』
DJフクタケ氏「仕事の企画書を書いている時、何か勝負をする前の準備中に聴きたい曲です。曲中のここぞ!というタイミングで繰り出される『通す』というフレーズがめちゃくちゃパンチ効いてます。昭和のサラリーマンの、細かいことはすっ飛ばしてでも“通す”というモーレツ感や意志の強さを感じさせられます。また名コピーライターの仲畑貴志氏によるインパクト抜群な歌詞には、クリエイティヴィティを刺激されますね。休日出勤でまわりの目を気にせず黙々と作業をしている時などにも向いていそうです」
◆上司を怒らせた時の一曲
海援隊/『JODAN JODAN』
DJフクタケ氏「海援隊といえば『贈る言葉』に代表される、フォーク系グループとして有名ですが、1979年になぜか突然ディスコサウンドに挑戦した曲です。当時、西城秀樹さんの『Y.M.C.A.』が流行っていて、そのパロディソング的な要素が強く、間奏の『J!O!D!(溜めて~)…AN!』という手振りのジェスチャーパートは、三又又三さんの物真似で知ってる人も多いと思います。『この時の武田鉄矢さんは、金八先生がブレイクする直前で雰囲気的には『赤いきつね』のCMのはっちゃけたイメージの方が近いですね(笑)飲み会などで上司を怒らせてしまった場合に、“冗談”として誤魔化すときや、嫌な気分をまぎらすのにぴったりです」
◆失恋した時の一曲
スターボー/『ハートブレイク太陽族』
DJフクタケ氏「『作詞:松本隆、作曲・編曲:細野晴臣』というヒットメーカーを迎えながらも、歌謡曲史上に残るほどぶっとんだ曲です。宇宙からやってきたという設定のマイナーアイドルで、このデビュー曲のジャケットには『宇宙三銃士スターボー』と表記されていました。歌詞は、昭和30年代の太陽族のイメージが恋愛ファクターに絡めて落とし込まれています。「俺から不良になっちまう!なっちまう!なっちまう!」など、細かいことは気にしていられないくらい勢いのある歌詞とクセになるベースラインが特徴的なサウンドで、失恋の痛手も宇宙の彼方へぶっ飛びます。グループや曲についても、色々とSF的設定があったにも関わらず、2枚目のシングルで何事もなかったかのように松田聖子系の清純派に路線変更したりした謎展開なんかもカルト的な人気の秘けつかもしれません」
以上の5曲は、“ヤバい”昭和歌謡曲のほんの一部。DJフクタケ氏は、これまでに出会った楽曲について、「あまり周囲の評価ばかりを気にせずに、自分の好みや感性で曲を探すと、もっと面白いと思えるものに出会えるかも」と語っており、今後も7インチレコードの収集に勤しむそうだ。
ちなみに、『ヤバ歌謡』は、時代やジャンルの壁を超えて、ノンストップで1960~80年代を高速で横断していくDJ MIX CD。酒井司優子『コンピューターおばあちゃん』などの人気楽曲をはじめ、初のCD化という早見優『ハートは戻らない(Get out of my life)<SPECIAL RE-MIX VERSION>』(7インチEDIT)など、全34曲が収録されている。今までに出会ったことのない曲やジャンルに出会える一枚だ。
<取材・文・撮影/林健太>
「昭和歌謡」と聞いて、どんな曲を思い出すだろうか? 年齢によって思い出す曲は異なるだろうが、いずれにしても懐メロ的なイメージを抱く人が多いのではないだろうか? しかし、それはまったくの先入観だというのは、昭和歌謡曲のアナログを掘り続け、今も現役のダンスチューンとしてクラブのフロアにドロップしているDJフクタケ氏。「ダサいのが逆にカッコイイ」とか斜に構えた半笑いの評価じゃなく、アガるし踊れる、ド直球で今も評価できる曲がたくさんあるという。
DJフクタケ氏が今年リリースしたDJ MIX CD『ヤバ歌謡』には、そんな歌謡曲が全34曲収録されている。今回は、自身も普段はサラリーマンとして働くDJフクタケ氏に、『ヤバ歌謡』の中からサラリーマンなら誰もが遭遇しそうなシチュエーション別に、おすすめの5曲をピックアプしてもらった。
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ