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元祖「女子高生のぞき部屋」摘発も、類似店急増

 個室に入ると、あぐらをかき、ミラーに向かって一心不乱にカーラーを操る制服姿女子高生が見えた。マジックミラーでこちらは見えないと謳われているが、記者が腰を下ろしたとき、彼女の目線が一瞬上下に動いたのに気づいた。壁を見ると「携帯電話使用禁止」などおびただしいほどの注意書きが貼ってある。「盗撮禁止」と書かれた貼り紙には「東京都の迷惑防止条例違反に問う」という主旨の文言が。またその横には「雑誌社各位」というタイトルで「記者が無断で潜入し、撮影、それを掲載した場合にはただちに法的処置を取らせていただきます」とも大書きしてある。店側がマスコミを相当警戒していることが伺える。   一方で、マジックミラー越しに見える大部屋はのどかな雰囲気だった。部屋の隅に置かれたテレビからは連ドラの再放送が大音量で流れている。制服姿の女のコたちがうつ伏せで食い入るように画面を見つめて、俳優の演技に足をばたつかせながら嬌声を上げていた。部屋の中には7人、そのうち4人が同じ学校と思われる制服を着ていた。どのコも短いスカートにハイソックス。夏服のセーラー服を着ているコは屈むたびに背中や腹部、はたまた下着が露わになっている。

2000円ほどの「指名料」を払えば、ミラー越しに体育座りをする。どの店もこれを売りにしている。(写真は摘発された「横浜マンボー」

 その横にはマジックミラー向かって体育座りをする女のコが。マジックミラー奥の男と視線を合わせないように、じっと携帯電話見つめているのが印象的だ。するとさっきまでテレビを見ていたコに店員から声がかかる。「26番のコ、3号室ね~」。すると体育座りをしている女のコの真横に移動し、マジックミラーに向かって座る。体育座りで並んだ2人は、鏡の向こうでじっと息をめる男などいないかのように談笑を始めた。   風俗業界に詳しいライターの高木瑞穂氏はこの”ブーム”についてこう語る。「昨年9月開店した『横浜マンボー』の爆発的な人気を受け、今年の3月頃から類似店が一気に増えました。都内は渋谷をはじめ、秋葉原、水道橋などに飛び火、7店ほどに増えており、今やこの業界は”見学系”とも呼ばれています。さらに池袋や新宿にも出店を準備している業者がいると聞いています。最近ではただ見学させるだけではなく”撮影会”を開くなど、エスカレートしている店もありますね」  実際、某風俗店グループの関係者はこう声を潜めた。「俺たちも”見学系”への参入を考えたけど、渡る橋がヤバすぎる。法律のうまいトコついてたけど、もうダメだろうね」  高木氏もこうつけ加える。「警察は風俗営業ではないので立ち入り検査ができなかったのですが、神奈川県警が労働基準法の解釈で検挙に踏み切りました。こうした店の増殖は当局も把握しています。”絶滅”は時間の問題かもしれませんね」  この取材の翌日、渋谷の「S」は突然店を閉めたーー。  取材・文・撮影/「風俗(かぜ)を読む」取材班
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