人工知能搭載ロボット「Pepper」導入店を覆面調査。その接客レベルは?
ソフトバンクグループが発表した世界初となる”感情を持った”ロボット「Pepper」。今年6月に販売された際には、当初の予定台数とされた1000台が受付開始からわずか1分で完売したという人気ぶりで、みずほ銀行をはじめとした大手企業も続々と導入。店舗での接客に活用させようと期待を寄せている。
そこで今回、Pepperがどのような接客を行っているのか、実際導入されている店舗に行って確かめてみた。
◆会話をしない「Pepper」
まず、いち早く導入していた大手携帯電話キャリアショップに足を運んだ。早速、入口近くにはPepperがやって来る客に「こんにちは」と挨拶をしたり「胸のディスプレイにタッチしてみてください」などと、身振り手振りも交え休むことなく話しかけていた。しかし周囲の人たちはそのアグレッシブさに腰が引けたのか、遠巻きに眺めているかカシャカシャと写真を撮るだけで、ある種”客寄せパンダ”的な役割になっていた。
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◆会話ができず立ち去る客たち
次に都心にある大手家電量販店を訪れた。当日は休日だったこともあり、店内は家族連れや海外からの観光客で賑わいを見せていたが、いざ肝心のPepperが置いてあるコーナーに行ってみると……閑散とした様子。
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稼働しているのか近づいてみると、機械の不具合なのかそれとも仕様なのか、言葉を発することなく、顔を認識するためただ頭部をキョロキョロと動かしているだけで、ウリの一つでもある「会話をする」ことは出来なかった。そのため物珍しさから立ち止まった人たちも、コミュニケーションが取れないことがわかるとすぐにその場を立ち去っていた。
◆なんと早くも撤退
最後に渋谷の某カフェへ。以前ここではPepperに心地良い距離感で接客をされた記憶があったのだが、入ってみると、どこにもその姿が見当たらない。店員にその理由を聞いてみると「期間を定めず置いておくつもりだったのですがね……機械の不具合で今は店頭には出していません」とのこと。
導入を決めた多くの企業がPepperを活用し、顧客に必要とされるサービスを高度化させる狙いがあるようだが、今回のように「接客」としてのレベルは人間のそれにはまだまだ遠く及ばない。人工知能の研究が飛躍的に進んでいる今、将来私たちの仕事を脅かす存在になっていくのか、今後の進化が気になるところだ。 <取材・文/日刊SPA!取材班>



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