留学生たちから日本の母と慕われる韓国スナックのママとしっぽり酔う

 編集部で、いつもの二日酔いのようにぐったりと隣の席でうなだれているスギナミが、溜め息交じりに「ちょっと聞いてくださいよ」と話しだした。なんでも、最近習いたてのハングルを武器にネエちゃんを口説く気満々で突撃して意気揚々とハングルを使ったところ、韓国人など一人もおらず、キョトンとした顔で「あたしたち日本人なんです」と言われたという。

 肩を落とすスギナミと、韓流ガールズバー人気とこの“忌々しき事態”について話しながら飲む。我々がハマったのは、なんとも純朴な韓国アガシと一緒にグイグイ酒を飲みながら時間を忘れて騒ぐということであり、それが韓流ガールズバーの楽しみ方であり、最大のウリなわけだ。にもかかわらず、酒は飲まない、ウブでもなければ韓国人でもない。それなら行く価値などあるのかと。

 そろそろ新規開拓に乗り出す時期なのかもしれないという結論に達したとき、韓流に詳しいライターの小野田衛氏から、鼻息荒い電話が入ったのであった。「韓国人の留学生ばっかが働いてるスナックを見つけたぜ!」と。

 教えられた店は住宅街にあり、まさかこんなところに……と思いながらも扉を開けると、カウンターには巨大な朝鮮人参を漬け込んだ薬膳酒や、朝鮮の太鼓などが置かれている。ボトルを入れて飲み始めると、ママが申し訳なさそうな顔でやってきた。

「ごめんネ。今、女のコ、みんな留学終わって帰っちゃったヨ」

 なんでも、お店のコたちは4月に卒業するとビザの関係もあって帰国してしまうという。そのため、我々が行った日は一年で最も閑散とした日だったわけである。

女のコのいない韓国スナックの楽しみ方とは!?
【後編】はこちら⇒https://nikkan-spa.jp/yoru/198889

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