ニュース

“大麻=絶対悪”ではない?「医療用大麻」の実用化が広がる海外とタブー視する日本

海外で期待が高まる「医療用大麻」の実用化

 参院選に新党改革から立候補した元女優の高樹沙耶氏は以前から「医療用大麻」の合法化を訴えており、22日の街頭演説でも「大麻は麻薬というイメージがあるが、アメリカ、ヨーロッパでは確実に医療現場で使わている。いずれ日本でも使われる。外国に利権を取られる前に日本でもやるべきだ」と語った。  そもそもなぜ日本では「大麻」と聞いただけで毛嫌いする人が大半なのだろうか? 戦後の1948年に制定された「大麻取締法」の歴史を紐解いてみると、その背景は今からおよそ100年前のアメリカ合衆国での「禁酒法」(1920年施行)にまでさかのぼる。当時アメリカでは、禁酒されていたアルコールに代わる嗜好品として大麻が流行していたが、33年に禁酒法が廃止。連邦政府は次なる標的を流行していた「大麻」に定めた。  そして「禁酒法」がなくなったアメリカで、37年に大麻が非合法化されることに。反大麻キャンペーンを煽る米国政府からすれば、占領下の日本で大麻がそこらじゅうにある状況は看過できず、アメリカ側の主導で「大麻取締法」が制定されたという背景がある。戦後世代は学校教育で「大麻=違法薬物」と教えられており、厚生労働省による「ダメ。ゼッタイ。」薬物防止キャンペーン運動のもと、日本人には医療用と嗜好用を一緒くたにした“アレルギー”がある。  まずは世界の現状を見て、健全な議論を始める時期なのではないだろうか。 <取材・文/北村篤裕>
1
2
3
大麻解禁の真実

欧米で解禁が進む「大麻」なぜ日本ではタブーなのか?

おすすめ記事