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時間は人も馬も変える。麻薬逮捕で3年ぶりに娑婆にでた友人と京都大賞典の話~払い戻しはこちらへ~

 久しぶりだな。調子どうだよ?  最後の連載が8月1日だからもう2か月になるのか。  一日のことを、86,400秒というとやけに長く感じるだろう? 十日で86万秒なんだろ?半端じゃねえよな。  じゃあ2か月ってどれくらいの時間なんだと思って調べると、髪の毛なんかは1か月で1センチしか伸びねえんだって。そんな流れで、俺はついつい「2か月 できること」って検索しちまったんだよな。得意のインターネッツでよ。  そしたらやっちまった。出てくるのは病気で余命宣告した人の記事ばかり。”できること”って付け加えて検索した俺が悪かった。  それでも、気付けば数時間そんな人の“最後の声”を読みふけっていた。 「今は川のせせらぎのように落ち着いています」とか、「落ち着いた感情でいられています」って人が多かった印象だな。  取材を受けてみたり、自身でブログを書いている人たちの記事を読んでるワケだから、そんなもん落ち着いてでもないとやるワケもないだろうし、偏った声を読んでいると自覚しながらも、「俺もその時が来たら、こんな感情になるのかな?」なんて考えていたら、もう朝4時20分。  また、やってしまった。  だが共通点としてこういう人たちは余命宣告の結構前に闘病生活に入っていた人が多くて、少しずつ覚悟の量を増やしてきたからこそ、その境地に入れたのではないかなとも思った。  少しずつ溜まっていく砂時計の砂のように、残りの寿命を上から下に、そう、覚悟に変えていったんじゃないかな。

■友人Dが発明したコカインの密輸方法

 2か月ってすごいんだなっていうところから深夜のノリで思考を飛躍させてしまった俺は、36か月ぶりに娑婆に出てきた友人Dのことを思い出した。  そう、最近出てきたんだよな。また頭のネジが冷蔵庫と床の隙間に転がって行っちまったやつが。  いい年こいてまたパクられてもほしくないし、首から指まで刺青だらけだしで、なかなかすぐにやる事もないしすぐには出来ない。  今は俺のカジノ関連の仕事を手伝ってもらうことにしていて、俺はすぐに電話したんだ。 「髪の毛って一か月に1センチ伸びるんだぜ、お前懲役で36センチ切ってる計算だな」ってよ。  俺が言うと、 「マジかよ!じゃあサーファーになれたな!」  そう返ってきた。  そうだな。時間の感じ方は人それぞれ。別に俺たちはすぐに死ぬワケでもないし、それが絶対じゃなくても多分死なない。  それくらい思ってヘラヘラしてねえとやってけねえような窒息感があるここ東京。  思えばこの友人D、とにかくペテンが回るやつだった。  プロゴルファーの石川遼くんが拠点を構えたからかどうかは知らないが、JALのサンディエゴ直行便がゴルフクラブのお預かり無料ってキャンペーンが昔あったんだ。  Dはこのゴルフクラブのシャフトに、コカインをパンパンに詰めてみたり、当時流行りだしていたシャター、ワックスという類の液状大麻を溶かして入れて、また日本で成型するなんて仕事をしていたやつだ。  大麻関連は、回収する時にべとべとするから熱を与えないといけなくて、それで変色したり匂いが悪くなったりでトラブルもあったらしく、最後の方はコカインだけになっていた。
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「指先まで冷たくなっているんです」
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新宿・歌舞伎町を根城にするギャンブラー。競馬競輪、ボートにバカラと賭け事ならなんでもござれ。座右の銘は「給我一個機会,譲我在再一次証明自己」

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