2016年の最重要バンド「D.A.N.」が織りなすハイセンスかつ重層的な世界観
「D.A.N.」この名前を覚えておくといい。今の東京において最も鮮烈で、そして刺激的なバンドだ。1993年生まれの3人が織りなす、ダンス・ミュージックのグルーヴを核にした、クールで、同時にメロウなロックは、2016年のインディ・シーンのモードを決定づけるだろう。傑作の1stアルバム『D.A.N.』をリリースしたばかりの彼らが20日、これまた初のワンマンライブを渋谷WWWで開催した。
⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1118733
D.A.N.の音楽性を一言で表すのは難しい。『D.A.N.』には様々なポップ・ミュージックの要素が重層的に潜んでいながら、それらがどれか一つのジャンルに還元できないほど融け合っているからだ。実際、彼らのインタビューを読むと、言及されるミュージシャンの多彩さに驚かされる。ジャズとヒップホップを接続する最先端のビートメイカー、テイラー・マクファーリン、オルタナティブR&Bの旗手、ジ・インターネット、ミニマル・トライバル・テクノの重鎮、モーリッツ・フォン・オズワルド・トリオ、夢幻的なサイケデリアを奏でるオウガ・ユー・アスホール、そして宇多田ヒカルなど、枚挙に暇がない。
●D.A.N.『Zidane』(Official Video) – (http://youtu.be/epsMJXoFzjs)
本人たちの探究心に加え、過去から現在までのあらゆる音楽アーカイブへのアクセスが容易になったインターネット世代に育ったことが、その音楽的素養に寄与していることは確かだろう。音楽を聴くのも作るのも簡単になった時代は「自由」なのかもしれないが、だからこそ「何をやるのか」というセンスとヴィジョンが強く問われている。凡百の作品では、情報の洪水に流され、忘却されてしまう。そんな中でD.A.N.が導き出したひとつの答えは、「ダンス・ミュージックのグルーヴを人力のバンドで鳴らすこと」だった。

|
『D.A.N.』 2016年のマスターピースとなり得る決定的名盤 ![]() |
【関連キーワードから記事を探す】
「不老不死を目指してます」東大在学中に起業で6億円を手にし、大阪万博にアートを出品…28歳“天才”の頭の中
「新歓で受けた悪質なドッキリ」にげんなり…国立大を1年で休学した男子学生が、東京藝大に通うまで
「歌で世界に光を届けたい」海外を席捲する日本人女性シンガーの“揺るがぬ信念”
10年1万本のうち「満足いくのは十数本」。世界的オカリナ奏者68歳が語る、妥協しない考え方
ユニクロ「UT」1500円で買えてしまう最高峰のグラフィックTシャツ
「本当に60代?」SNSで“奇跡の66歳”と話題の女性を直撃。唯一のポリシーは「嫌なことをしない」
“オードリー若林に激似”のベーシストがSNSで話題に。「中学生の頃からずっと若林だった」
音大出身の4人で結成された「マカロニえんぴつ」の知られざる結成秘話
テレビやSNSで話題沸騰。「気持ち悪いのに中毒性がある」と言われる「挫・人間」の正体とは
RCサクセションが50周年、忌野清志郎さんが見てきた景色。デビュー、低迷、決別…