更新日:2022年07月10日 11:04
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パチンコ釘曲げ事件の裏にロシアンパブが絡んでいた!?

摘発の裏に外事課の案件!?

 POKKA吉田氏は今回の事件について、さらに踏み込んでその舞台裏を話してくれた。 「ホールのオーナーがロシアンパブを経営していて、その件を入管で摘発するためについでに引っ掛けた外事課マターなんだと噂が流れた。でも、押収された遊技機が52台もあって、そんなに持っていったのは別の理由があるだろうと。そしてニュースになって表面化したらいろんな情報が飛び交ってしまった」  パチンコの釘と外事課とは、あまり聞き慣れない組み合わせである。そして52台もの押収がまた別の話題をパチンコ業界に巻き起こした。それは遠隔操作である。 「業界にはPSIOという組織があって、業界の内外やエンドユーザーから『この店おかしい』と集まった情報を精査して、地域の警察に今月はこういう情報がありましたよと提供する組織なんです。本来は、命釘のピッチが大きいですよなんていう事を警察に情報提供することがない。その程度のことで情報提供するような組織ではないんですよ。しかし情報提供せざるを得なかった理由があって、回るのに出ない。ヘソがガンガン開いてめっちゃ回るのに出ない……となれば、業界人は普通、遠隔操作を疑う。不正改造の可能性が捨てきれなかったから言わざるを得なかったというわけです。ガサが入って押収したあと、お前クギをやっただろう、いややってませんよ……なんていう店長とのやり取りのあと、ビデオを見てみたら叩いているところが映っていたことで観念したという話です」  なんとも間が抜けた舞台裏の話である。 「世間は京都府警が遊技釘の問題でホールをガンガン摘発するぞというイメージだが、そうではない。ここまでやりよった店は他にやりようがないというだけの話なんです」
パチンコ釘曲げ事件の裏にロシアンパブが絡んでいた!? 一発台

オールドファンには懐かしい今から30年ほど前に隆盛を極めた一発台の釘調整。もはや釘を開ける、閉めるというレベルではなく真横に倒したりとやりたい放題だった。こうした違法状態にあった一発台というジャンルはその後、姿を消した

 では今後、パチンコにおける釘はどうなっていくのだろうか……。POKKA吉田氏は著書『パチンコが本当になくなる日』の中で、パチンコから釘がなくなる可能性について言及している。やはり、パチンコから釘はなくなってしまうのだろうか。 「パチンコの台を購入すると取り扱い説明書がついていて、その中に算定書というものがついている。通常時のベース値とか、時短中のベース値、電サポが働いているときのベース値とかを示している。何分間打ったら、この入賞口には何個入りますということが書いてある。その算定書つきで納品されたのが今年の4月から。ホールはその算定書を読むか読まないかはともかくとして、釘は叩く。開け閉めもそうだしとにかく納品された時に叩く。そのままで使うパチンコ屋は世の中にいない。それが違法行為かどうかという問題については、算定書の範囲内であればいいのではないかと考えているのでしょう。でも、警察は大丈夫だなんて一言も言っていない。算定書には下限と上限のデータの値に範囲をつけているので、ここからここまでは叩いてくれても……というようなニュアンスが含まれている。ベースは30ですとは書いていない。30から40そういった書き方をしているんです。その間で利益が出るように何なりしないといけないのだろう。ここでコントロールできる幅というのはかなり狭い」  釘調整ができないことで、パチンコ店が窮地に陥っているのは事実だ。出玉規制の影響もあり、駅前や繁華街にあっても空席が目立つパチンコ店は少なくない。パチンコの釘はどうなるのか? 業界はこのまま冬を通り越し、氷河期に突入するのか……パチンコと釘を巡る問題からは、しばし目が離せないようだ。 取材・文/SPA!ギャンブル問題取材班
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