「オーダーメイド葬式」はなぜ増えたのか? 祭壇がひまわり畑、ライブハウスで故人を偲ぶ「お別れ会」も
近年の結婚式では海外挙式は珍しくないが、最近ではキャンプ場や廃工場といった奇妙な場所で行うオリジナルコンセプトの結婚式も増えてきた。
「crazy wedding」に代表されるように、こうしたオーダーメイド結婚式が流行る一方、葬儀でも結婚式と同様にオリジナル性の高い「オーダーメイド葬式」と言えるようなものが近年登場している。
かつては祭壇に赤やピンクの花を使うことなど考えられなかったが、近年は故人の好きだった花を取り入れるケースも少なくない。
⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1181860
写真はひまわり畑をイメージした祭壇。本物のひまわりを使用し、祭壇のイメージとあわせて桐棺ではなく青い布張棺になっているのもこだわりのポイントだ。
また、葬式で故人の好きだった曲を流す「音楽葬」というものもある。漫画家の故・水木しげる氏のお別れ会では、アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』のテーマやNHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の主題歌が流れたのは有名な話だ。さらに、葬儀中にバイオリンやハープ奏者を呼び、生演奏するケースもある。
他にも、故人の好物を通夜振る舞いや精進落としに取り入れたり、写真や思い出の品などを飾るメモリアルコーナーを充実させたりと、従来の葬儀フォーマットを踏襲せずに行うケースも。
「オーダーメイド葬儀」が増えた理由として、お葬式の総合情報サイトを運営する鎌倉新書の井野貴亮氏は以下のように説明する。
「主な理由は二つあります。一点目は、ネット普及による情報格差の縮小。ベールに包まれていた葬儀の価格や内容がネットで調べられるようになったこともあり、価格に見合った価値のあるものかを消費者が自分で判断できるようになってきたことです。その中で低価格のパッケージ型葬儀や、その人にあったオーダーメイド葬儀を選択する幅が広がってきたのです。二点目は、葬儀が公のものからプライベートなものに変わりつつあることです。かつては会社関係者や近隣住民も参列するのが通常でしたが、最近は少子化や人口分布の変化に伴う血縁・地縁の希薄化により、家族・親族だけで行う葬儀が増えています」
事実、同社で行ったアンケート結果によると、20人以下の葬儀は、2013年が全体の14.2%だったことに対し、2015年は21.7%に増加しているという。
「親しい人たちだけで葬儀を行うのであれば、格式や風習に則った式よりも、故人らしい式にしたいと思うのではないでしょうか」(井野氏)
ひまわり畑の祭壇からハープによる音楽葬まで
オーダーメイド葬儀はなぜ増えたのか
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