RVDの“Mrマンデーナイト”計画?――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第261回(1997年編)
RVDことロブ・ヴァン・ダムが初めてWWEのリングに上がったのは1997年5月。RVDというとサブゥー、サンドマンらと並んでハードコア団体ECW(エクストリーム・チャンピオンシップ・レスリング)のアイコン的存在としてのイメージが強いが、ECWとWWEの協力関係から両団内のツアー日程を同時進行でこなしていた時期があったことはあまり知られていない。
5.12“ロウ・イズ・ウォー”(デラウェア州ニューアーク)に登場したうわさのニューカマー、RVDをリング上から観客に紹介したのはECW(というよりもポール・ヘイメン)とは犬猿の仲といわれる“ロウ”解説者のジェリー“ザ・キング”ローラーだった。
TVインタビュー・シーンでRVDとローラーは「ECWなんかクソみてえな団体」と発言し、“メジャーWWEに寝返ったイヤな男”RVDとそのRVDをサポートするWWEサイドの大物代理人という両者のポジションを明確にした。
TVマッチに出場したRVDは、3分弱という短いファイトタイムのなかにオリジナル・ムーブをふんだんにディスプレー。ダブルアーム・スープレックスの体勢で抱え上げた相手を前方からキャンバスにたたきつけるパンケーキ・スラム、場外の相手に向かって“無重力状態”で飛んでいくノー・タッチ・トペコンといったあまり見慣れない大技のひとつひとつに観客はため息をついた。対戦相手は無名の新人時代のジェフ・ハーディーだった。
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