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ストーンコールドVS“悪の首脳部”VSアンダーテイカー――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第292回(1998年編)

WWEオフィシャル・マガジン1998年7月号表紙

ポスト“レッスルマニア14”新シーズンのドラマは、ビンス・マクマホン&悪の首脳部とストーンコールドの対立構造。この基本モードに“孤高の怪人”アンダーテイカーが割り込んできた(写真はWWEオフィシャル・マガジン1998年7月号表紙より)

 毎週月曜夜の連続ドラマ“ロウ・イズ・ウォー”の基本モードは、“ストーンコールド”スティーブ・オースチンと“悪の首脳部”の対立構造。ストーンコールドはWWE世界ヘビー級王者で、“悪の首脳部”とはビンス・マクマホンWWEオーナーとその子分たちのことである。

 ポスト“レッスルマニア14”の新シーズンから4.26“イン・ユア・ハウス/フーリー・ローデッド”、5.31“イン・ユア・ハウス/オーバー・ジ・エッジ”、そして6.28“キング・オブ・ザ・リング”までの月イチPPVではこのストーンコールドとビンスの確執ドラマに“孤高の怪人”アンダーテイカーの自己主張という新しい展開がからまっていった。

 アンダーテイカーがビンスに対する不満を初めて公言したのは6.1“ロウ”シカゴ大会だった。

「これまで2度、チャンピオンになったが、いずれもビンスの陰謀で短期間でベルトを強奪された。わたしはこれまで8年間、このカンパニーのためにがんばってきった。チャンスは公平に与えられるべきだ」

 番組オープニングと同時にいつものリングコスチューム姿ではなくトレーニング用のスウェットの上下でリングに登場してきたアンダーテイカーは、怪奇派キャラクターを封印して“悪の首脳部”を糾弾した。

 これに対し、ビンスは「今夜、ケインと闘え。お前が勝ったらタイトルに挑戦させる」と返答。同夜のTVマッチにラインナップされたアンダーテイカー対ケインのシングルマッチにはマンカインド(ミック・フォーリー)が乱入し、“悪の首脳部”のトリックプレーでアンダーテイカーがケインに不覚のフォール負けを喫した。兄アンダーテイカーと弟ケインのいわゆる“骨肉の争い”はこの時代から約20年間、ずっとつづいている。

 6.28PPV“キング・オブ・ザ・リング”ピッツバーグ大会のメインイベントでは、ストーンコールドがケインに敗れWWE世界ヘビー級王座から転落という番狂わせが起きた。

 突然の王座移動劇の背後には“悪の首脳部”の謀略のシナリオがあったことはいうまでもない。この日、タイトルマッチに適用された試合形式は“ファースト・ブラッド”ケージ・マッチ”。どちらか先に流血したほうが負けという一種のデスマッチ・ルールだった。

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試合はカオス状態に

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