ストーンコールドVS“悪の首脳部”VSアンダーテイカー――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第292回(1998年編)
試合はアンダーテイカー、マンカインドらの乱入でカオス状態となり、結果的に額から大流血したストーンコールドが“ファースト・ブラッド裁定”を宣告され、チャンピオンベルトはあっさりとケインの手に渡った。
6.28PPV“キング・オブ・ザ・リング”の翌日、WWEの全米ツアーはペンシルベニア州ピッツバーグからオハイオ州クリーブランドに移動し、同所で6.29“ロウ”生中継を開催。ストーンコールドは、前夜のタイトルマッチのルールおよび流血による試合中止=王座移動を首脳部による陰謀と主張し、前チャンピオンの権利としてリターン・マッチの要求し、ビンスもしぶしぶこれを認めた。
同夜のTVマッチにラインナップされた王者ケイン対挑戦者ストーンコールドのWWE世界戦は、ストーンコールドの十八番ストーンコールド・スタナーがパーフェクトに決まってあっさりジ・エンド。ストーンコールドはまさかの王座転落劇からわずか24時間後にベルト奪回に成功した。
試合終了後にはアンダーテイカーが乱入し、ストーンコールドと番外戦の大乱闘を展開。この10数秒間の接触シーンは、8月のスーパーイベント“サマースラム”で実現する頂上対決への“複線”になっていた。
6.30“ロウ“ステートカレッジ大会(翌週7月6日オンエア分の録画撮り)では、ビンスが次期挑戦者決定戦としてアンダーテイカー対ケイン対マンカインドのトリプル・スレットを組んだが、こんどはアンダーテイカーがこの試合をボイコットした。
不完全な“3ウェイ”は、ケインがマンカインドからフォール勝ちを奪ったが、ケインのマスクをかぶって試合をしていたのはなんとアンダーテイカーだった。
ちょうどそのころ、裏番組のWCW“マンデー・ナイトロ”(ジョージア州アトランタ、ジョージア・ドームから生中継)は王者ハルク・ホーガン対挑戦者ゴールドバーグのタイトルマッチ――ゴールドバークが十八番ジャックハマー一発でフォール勝ち――での世界王座移動シーンをオンエア中だった。(つづく)
※この連載は月~金で毎日更新されます
文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
※斎藤文彦さんへの質問メールは、こちら(https://nikkan-spa.jp/inquiry)に! 件名に「フミ斎藤のプロレス講座」と書いたうえで、お送りください。

斎藤文彦
1
2
この連載の前回記事
【関連キーワードから記事を探す】
ビンス・マクマホン 世界征服と開拓のパラドックス――フミ斎藤のプロレス講座別冊レジェンド100<第100話(最終話)>
ランディ・オートン 現在進行形のレジェンド――フミ斎藤のプロレス講座別冊レジェンド100<第99話>
ジェフ・ジャレット “サザン・スタイル”最後の継承者――フミ斎藤のプロレス講座別冊レジェンド100<第96話>
クリス・ジェリコ ロックンロール・レスラー――フミ斎藤のプロレス講座別冊レジェンド100<第95話>
カート・アングル あっというまに“伝説の男”――フミ斎藤のプロレス講座別冊レジェンド100<第94話>
ジ・アンダーテイカー “怪奇派キャラクター”の最高傑作――フミ斎藤のプロレス講座別冊レジェンド100<第75話>
大長編ドラマ『アンダーテイカーとケイン』――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第298回(1998年編)
ストーンコールドとアンダーテイカーの奇妙な友情――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第294回(1998年編)
ストーンコールドVS“悪の首脳部”VSアンダーテイカー――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第292回(1998年編)
アンダーテイカーの“弟”ケイン出現!――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第270回(1997年編)
ストーンコールド“時限爆弾”を抱えたカムバック――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第329回(2000年編)
ストーンコールド対ロック@“レッスルマニア15”――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第311回(1999年編)
ついに実現!ストーンコールドVSビンス――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第309回(1999年編)
ストーンコールドとアンダーテイカーの奇妙な友情――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第294回(1998年編)
ストーンコールドVS“悪の首脳部”VSアンダーテイカー――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第292回(1998年編)
この記者は、他にもこんな記事を書いています