更新日:2022年08月25日 09:23
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厄介な上司から自分を守る方法――ドラ猫アドラ の「大人のアドラー力講座」

ストレスがたまるのは「課題の分離」ができていないから

アドラ猫「アドラーは言った。人間の悩みはすべて対人関係の悩みである、とね。たしかに対人関係は悩みの宝庫だ。しかし、そこから解き放たれるか、悩みを抱えるという幸せに溺れるか、選ぶのはおぬし自身だ」 ダメラー部下「そりゃオレだって、悩みたくなんかないよ。じゃあ、課長のイヤな性格を変えてくれよ。毎日毎日『どうしてそういう言い方するかなあ』とイライラしている身にもなってくれ」 アドラ猫「たしかに課長の態度にも問題が多い。根本的に勘違いしているというか、上司としての能力に問題があるようだな。鳴く猫は鼠を捕らぬ、わめく上司は仕事ができぬ」 ダメラー部下「だろ、だろ!」 アドラ猫「しかし、上司の性格や能力がどうだろうと、おぬしには関係ない話だ。まして性格が変わってほしいなんて願うのは、無駄な上に大きなお世話でしかない。ストレスがたまるのは、アドラーが言う『課題の分離』ができていないからだ」 ダメラー部下「課題の分離? なんだそれ。関係なくないよ。性格が悪い上司のおかげで、毎日イライラさせられてるのはオレなんだから。俺だって、できればいい関係でやっていきたいよ」 アドラ猫「おぬしがどんなに願っても、上司の性格は変わらないし能力が上がるわけでもない。ただ、おぬしの受け止め方や態度を変えることはできる。それが『課題の分離』だ。自分が変われば課長との関係も変わるかもしれないし、変わらないかもしれない」

上司の言い方にケチをつけたがるヤツは仕事ができない

ダメラー部下「なんだよ、関係が変わる保証はないのかよ。やる気でないなあ」 アドラ猫「甘ったれるな。はっきり言って、不満そうな顔を平気で見せているくせにいい関係でやっていきたいなんて、虫が良すぎる。おぬしは『課長が嫌いなオレ』に酔っているだけじゃなくて、『課長に嫌われているオレ』という安全圏に逃げ込んでいるだけだ」 ダメラー部下「なんかムカつくなあ。言われてちょっとギクッとしてしまうところが、また不愉快だなあ」 アドラ猫「昔から、上司に注意されてその言い方や態度にケチをつけたがるヤツは、仕事ができないと相場が決まっている。小さなプライドを傷つけられたのが悔しくて相手の言い方のアラ探しに精を出すのは、大人としてあまりにチンケな反応だ」 ダメラー部下「ますますムカつくけど、まあいいや。じゃあ、オレはどうすればいいんだ。課長の性格を変えようなんて思わないほうがいいのはわかったけど」 アドラ猫「どこの馬の骨ともわからない猫の話を、素直に聞いてくれてありがとう」 ダメラー部下「いや、ありがとうっていうか。しかも、馬なのか猫なのかややこしいし」 アドラ猫「ここで『素直に聞けるおぬしは見どころがある』とホメることもできたかもしれない。しかしアドラーの考え方は、ホメることをよしとしない。ワシが『ありがとう』と言ったのは『勇気づけ』だ」 ダメラー部下「いや、べつに勇気づけられてないけど。で、どうすればいいんだよ」
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全力で普通に接して、厄介な上司から自分を守れ
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