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アカウントを凍結された外山恒一氏がツイッター社に直接抗議に行ったら、あっさりと解除された顛末

――誠実に対応してもらえたんですか? 外山:やがて演技なのかホントなのか日本語のたどたどしい、リンキン・パークのTシャツを着た外人さんが現れて、「どういうご用件ですか?」と訊いてきたので、経緯を説明しました。20分ぐらいのやりとりで、最終的には「当方でも改めて経緯を調べてみて、2日以内にメールで回答します」とのことで、もちろんそれは凍結解除を保証されたわけではないですけど、「何らかの対応をするから2日待ってくれ」と云われて、「じゃあ街宣だ!」ってことにはなりませんよね(笑)。「よろしくどうぞ」と引き下がるしかありません。こっちとしても、対応してくれるって云うんならそれでかまわないわけで……。 ――でも、なんか悔しそうですね。 外山:だってこっちは完全に、少なくともTwitter上では都議選の話題なんか吹っ飛ぶぐらいの大騒ぎにしてやるつもりだったんですから。「会いに来た」、「アポはありますか?」、「ありません」、「じゃあ取り次げません」、「よし分かった、街宣だ!」って流れを想定してて、初日はもちろん1人というか、街宣車に同乗してた身内2、3人だけでやるつもりでしたけど、その様子をネットで動画中継してまずはちょっとした話題にした上で、「交渉に応じるまで毎日やる。これは私だけの問題ではない。納得いかないアカウント凍結とか、その他なんでも、Twitter社に文句がある奴は毎日正午に集合せよ。自作のノボリやプラカードを持参してもいいし、トラメガとか持って来てもいいし、街宣車のマイクも開放するから何でも云いたいことを云え!」と呼びかけるつもりでした。集まった連中の“文句”の中身の正当性なんか問わない(笑)。在特会みたいな人たちの中にも、在特会と揉めてる反ヘイトスピーチの人たちの中にも、Twitter社に文句がある人はいっぱいいるだろうし、胡散臭いのまで含めて集まれるだけ集まってもらって、在特会とカウンターが衝突し始めても放置(笑)、とにかく“Twitter糾弾!”のノボリを林立させつつ、カオスにしてやろうと思ってました。 ――まったくタチの悪い……。 外山:革命家ですから。常に騒ぎのネタを探してるわけです。たかがアカウント凍結ぐらいのことですけど、これはオイシイ展開を期待できるぞ、とワクワクしてたんですよ。そもそもTwitter Japan社の住所は判明してるわけですから、何も直接押しかけなくても、手紙か何か出せばいいだけの話なんですけどね(笑)。そっちのほうが3か月も苦境に耐える必要もなくなったはずなんですけど、せっかくいいネタが転がり込んできたのに、それではもったいないじゃないですか。何でもないことでも、「あ、これは面白くすることができるぞ」とすぐにピンと来るように、革命家は訓練をしているものなんです。 ――結局、あっというまに凍結解除されたんでしょ? 外山:「2日待ってくれ」という話だったはずが、翌朝にはもう解除されてました。 ――メールも来たんですか? 外山:それが来ないんだ(笑)。そこらへんはやっぱり、いい加減な会社だなあとは思います。 ――“検討しましたが、やっぱり解除できません”という返答であれば、改めて当初の“恐ろしいインボー”にも移行できたんでしょうね。 外山:まったく、“試合に勝って勝負に負けた”ような気分です。Twitter社前をカオスにしてやれば、さすがにTwitter社側も折れて解除要請に応じるだろうし、だから本来は“試合にも勝負にも勝つ”つもりでいたのに、10年前の政見放送以来の新たな伝説を打ち立てるという私の目論見は露と消えてしまいました。 ――それなりにちょっとした話題にはなってたじゃありませんか。 外山:“直接行動”の重要性を身をもって人民に示すことができたのは、革命家としては満足すべきことかもしれません。ネット上でどうこうってことには限界があって、それが単に“直接押しかける”程度の原始的というかアナログというかアナクロというか、ちょっとした行動で簡単に突破口が拓けたりする。凍結も無事解除されて、今月末からの第7回“教養強化合宿”への参加志願の学生たちもポツポツ現れ始めたし、まあ良しとすべきなんでしょう。騒ぎのネタなんか、私はどうせまたすぐ何か別のことを思いつきますよ。
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