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橋下人気は「若者の圧倒的支持」にある

三浦博史氏

三浦博史氏

 私は昨年の大阪ダブル選挙の分析を行いましたが、橋下氏圧勝のカギは若者の圧倒的支持によるものでした。既成政党の基礎票をどれだけ取ったかは出口調査結果(政党支持率と両者の投票割合)から推測できますが、これはほぼ拮抗していた。どこで差がついたかというと、無党派層の得票。普段はあまり投票場に行かない20〜30代が選挙に行き、橋下さんに票を入れたようなのです。

 この世代が動いたのは、大阪市役所改革を叫び続けたから。討論会でも平松前市長への直接的な批判は極力せず、「市民は守るけど市役所は守らない」と強調し続けた。若い世代の心に直接響くことを、一つか二つに絞って訴えた。そういう意味で天才的戦略家だと思う。私も選挙プランナーとして、これまで若い世代の投票率を上げようと試みてきましたが、なかなか思いどおりにはいかないもの。しかし橋下氏はそれをやってのけた。

 橋下市長は当選後、高齢者にも負担を求める「積み立て方式への転換」(世代間格差を是正する年金制度の抜本的改革案)を主張するなど、若者目線の政策を訴えていることは注目。世代間格差を放置したまま消費税増税に突き進む野田首相よりも評価されるだろう。また小泉元首相もオバマ大統領も当選後、若者のために特に汗を流したという記憶はない。

「積み立て方式への転換」は本来、霞が関や永田町の人たち、例えば「税と社会保障制度の一体改革」に取り組む国会議員や財務省や厚労省系のシンクタンクなどが提唱していないとおかしい。橋下市長の圧勝後、すり寄る政党・国会議員は多いが、自ら高齢者の票を失ってでも若者優遇政策を訴える政治家は出てこない。中央政界がそろって橋下市長にすり寄る現状を見る限り、今年の日本の政局は橋下市長を中心に動くことは間違いない。

【三浦博史氏】
総合選挙プランニング会社「アスク」代表取締役。沖縄県知事選や東京都知事選などに関わり、高い勝率を誇る

取材・文・撮影/横田 一 志葉 玲 写真/時事通信社 崎山勝功
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