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京大名誉教授「橋下徹はダム中止を決断できた。民主党はできなかった」

◆役人をコントロールできることが「脱ダム」を可能にした
今本博健氏

今本博健氏

 ダム問題でも、橋下市長と民主党政権の違いは決定的です。橋下市長は大阪府知事時代、府営の「槇尾川ダム」(和泉市)を推進していましたが、私をはじめ脱ダム派の主張にも耳を傾けて、見直しに転じました。そして、本体工事に入ったにもかかわらず、槇尾川ダムの建設中止を決めたのです。  これに比べて民主党政権は、政権交代の時のマニフェストに掲げた目玉政策「八ッ場ダムの建設中止」を撤回してしまった。  なぜ橋下知事(当時)はダム中止に踏み切れたのに、民主党は逆に中止撤回に追い込まれたのか。その差は、役人をコントロールできるのか否かにあると見ています。政権交代直後、私は脱ダム政策について前原氏と大臣室で会い、「八ッ場ダムを検証する『有識者会議』をつくるのはいいが、委員の人選だけは国交省に任せるな」と助言していましたが、前原氏は河川官僚に人選を任せてしまったのです。これに対し、大阪市はトップの方針がすばやく浸透しています。橋下市政がスタートした途端、市長は局長級・部長級幹部6人の交代を断行しました。そして、あれだけ抵抗をしていた大阪市役所が、新市長の指示に従うようになった。幹部を変えれば、その部下は言うことを聞くのです。  橋下市長の評価が上がっているのは、大胆な改革策の実現をしてくれる指導力があると見られているためでしょうし、一方、民主党政権の支持率が低下しているのは、官僚主導に陥っていることを見抜かれているためだと思います。
槇尾川ダム予定地

「無駄の極致」と今本氏が指摘する槇尾川ダム予定地。ほとんど水量のない小さな川が流れている

【今本博健氏】 京都大学名誉教授(河川工学)、淀川水系流域委員会元委員長。橋下氏に、ダム政策に関する助言を行う ― 【橋下徹】革命性の真実【4】 ―
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