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サッカーW杯・日本代表はポーランドとどう戦うべきか? ポーランド人記者が分析

FIFAロシアW杯の抽選会が12月1日行われた。我らが日本はグループH。初戦コロンビア、続いてセネガル、そして最終戦をポーランドと戦うこととなった。

ポーランド代表

点取り屋レバンドフスキよりも、注意すべきはクセモノ監督


 実は筆者はポーランド人とのハーフである。ハッキリ言って個人的には愛する“2つの母国”が同じ組になってしまったことに落胆しているが、今回は日本代表側に立って第一ポッドからグループHに入ったポーランド代表について語ろうと思う。

 ネット上のコメントを見ると、第一ポッドでは’02年日韓大会で日本が1-0でくだした開催国のロシアの次に“楽な相手”という見方が強かった。たしかに親善試合とは言え、日本代表は過去2試合戦って無敗。’96年には5-0、’02年には2-0と勝利している。しかし、こうした見方に対して、筆者は強い違和感を覚える。

 ポーランド代表を表する言葉で、近年日本のサッカー専門誌などでもっとも使われるのは「古豪」という言葉だ。それは決して間違ってはいない。W杯での最高成績は’74年、’82年大会の3位。その後は低迷が続いた。

 その理由の一端は、社会主義政権の崩壊。国内リーグは殺伐とし、有力選手は軒並みドイツ・ブンデスリーガなどに移籍。スタジアムにはフーリガンが殺到し、そのなかでも入場禁止処分を受けた過激なサポーターは、試合などおかまいなしに郊外の森で“決闘”をする始末だった。筆者も幼い頃は「(サッカークラブの)マフラーを巻いてるヤツを見たら、道路の反対側に避難しろ」と言われたぐらいである。

 そんな状況が変わり始めたキッカケが、’04年のEUへの加盟だ。助成金などによって、国内のインフラは向上。国内リーグも少しずつ、盛り返しを見せた。さらに大きな転機となったのは’12年にウクライナと共催されたEURO(サッカー欧州選手権)。残念ながらグループリーグ敗退となったものの、スタジアムなどの整備はさらに進んだ。

 近年、最大のターニングポイントとなったのは、昨年行われたEURO2016。予選では永遠のライバルであるドイツ代表を史上初めて撃破。本大会では優勝したポルトガル代表にPKで敗れたものの、ベスト8まで進出した。現在、ポーランド代表は最新のFIFAランキングで世界7位である。

 では、そんなポーランド代表の特徴とは? EURO2016の予選から、ポーランド代表の公式戦すべてを観ている筆者が紹介してみよう。

 まず、ポーランド代表最大の武器と言えば、世界最高のセンターフォワード、ロベルト・レバンドフスキだろう。同代表のキャプテンを務めるレバンドフスキは、今大会の欧州予選得点王。あのクリスティーノ・ロナウドをしのぎ、15得点を記録した。実は昨年行われたEUROの欧州予選でも最多得点を記録したレバンドフスキ。現在はバイエルン・ミュンヘンでプレーしているが、過去にはドルトムントで香川真司ともプレーしていただけに、その名前を知っている人は多いだろう。

 同じく、香川のチームメイトだったのは、ヤクブ・“クバ”・ブワシチコフスキ。ポーランド代表の前キャプテンで、パンチ力のあるミドルシュートが魅力的な選手だ。また、ドルトムントからはサイドバックのピシュチェクもサッカーファンにはなじみ深いだろう。

 日本でも人気のアーセナルに所属していたゴールキーパー2人は、現在セリエAのローマに所属するシュチェスニーと、イングランド・プレミアリーグのスウォンジーでプレーするファビアンスキ。「安定感がない」と言われがちではあるが、前回EUROや今回のW杯予選ではスーパーセーブを連発するなど、本番に強いタイプだ。

 そのほか、セリエAで優勝争いを繰り広げているナポリのセンターフォワード、アルカディウシュ・ミリク、そして同チームのトップ下でプレーするジエリンスキー。リーガ・エスパニョーラのセビージャ、リーグアンのパリ・サンジェルマンでプレーし、現在はイングランド・プレミアリーグのウエスト・ブロムウィッチに所属するクリホビアクなど、タレント揃いだ、

 また、個人的に注目(と注意)してほしいのが、リーグアンのモナコでプレーするカミル・グリクと、ポーランドのレギア・ワルシャワに所属するミハウ・パズダニ。攻撃的な選手にばかり、注目が集まりがちだが、前回EUROでの躍進は戦術のゴールキーパーたち、そしてこの2人のディフェンダー抜きには語れない。

 そして、最大の強敵と言えるのが監督のアダム・ナヴァウカだ。ポーランド国内の強豪チーム、ヴィスワ・クラクフの監督を経て、同代表監督に就任したナヴァウカ。それまで外国人監督や元有名選手などを起用していたポーランド代表にしっかりとした指針を与えた知将こそ、日本代表最大の敵となるだろう。

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守備固めで現実路線を貫けばチャンスアリ!

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