ネコノミクス2兆円が“不幸な猫”を救う
ここ数年、猫関連の産業が絶好調で、空前の“猫ブーム”と言われている。「動物を商売に利用している」との批判も多いが、実はこのブームが不幸な猫を減らすために一役買っていた!!
「この『ネコノミクス』と呼ばれる経済効果は、関西大学の宮本勝浩名誉教授の試算によると、年間約2.3兆円(’15年)とのことです」と語るのは、「ねこ経済新聞」編集長代理の廣田清さん。
東京五輪の経済効果が、招致が決まった’13年からの18年間で32.3兆円というから、1年あたり1.8兆円。ネコノミクスは五輪の経済効果も上回っている計算になる。
しかし、これに対して批判も多い。「動物を商売のネタにしているのではないか」という点だ。だが、「最近は保護猫に注目が集まってきていて、ネコノミクスの恩恵が猫自身に回るものが増えてきました」と廣田さんは語る。
全国各地に保護猫を飼う猫カフェが増え、里親探しも頻繁に行われるようになった。猫が店長や店員という設定の店、猫と一緒に行うヨガ、猫好き限定の婚活や合コンなど、単なる商売ではなく、保護猫にお金が回るような仕組みが続々とできている。入居者が保護猫の世話をする「猫付き賃貸物件」というものまで登場した。結果的に猫の事故死や病死、殺処分が減ることにつながっている。
その顕著な例が東京都千代田区で、行政と民間団体の協力により6年連続で猫の殺処分ゼロを継続中だ。全国的にも’12年度の12万匹から’16年度には4.5万匹と、猫の殺処分は激減している。<取材・文/北村土竜>
※『週刊SPA!』12/12発売号「ネコノミクス2兆円が“不幸な猫”を救う」より
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