富岡八幡宮事件で誰もが思った「神社はそんなに儲かるのか」の謎 お賽銭やお守りは課税の対象外!?
東京都江東区の富岡八幡宮で起きた宮司の殺人事件。関係各所に出された約2800通の手紙など、富岡茂永容疑者が抱えていた積年の恨みが取り沙汰されている。とはいえ、それだけではなく容疑者の「金回りの良さ」にも注目が集まっている。前宮司であった富岡茂永容疑者は、1億円近くの退職金やその他の資産を受け取り、銀座や錦糸町のクラブで豪遊する姿が目撃されていたという。
富岡八幡宮は寛永4年(1627年)より続く歴史ある神社として知られているが、そもそも「なぜ神社はそんなに儲かるのか」気になるところではないか。もちろん、神社が金儲けのためにあるわけではないことを前置きしたうえだが、今回は税金面やパワースポットブームなどの背景を調べてみた。
まず、神社は日本古来の神々を祀る神道の祭祀施設であるため、宗教法人に分類される。宗教法人は公益を目的として設立された法人であるため、営利を目的とした株式会社のように法人税が課せられることはない。
ではなぜ宗教法人は税金面にかんして、一般企業よりも優遇されているのか。神社仏閣の場合、国宝や重要文化財を保管しているケースが多く、なかには建造物そのものが重要文化財に該当することがあるからだ。これらを保護するためには多額の維持費が必要となる。
国税庁のホームページによると、「神社仏閣は一般企業とは異なり、維持保存に充てられる部分にかんする所得を認識しない」という記載がある。
ところで、神社の主な収入源と考えられるのは、お賽銭やお守りなどではないだろうか。その収益は、税金面でどのような対応がされているのか?
まず、お賽銭だが、これは信仰に基づいた喜捨金(寄付)に分類され、公益に該当する。さらに、神社の維持費としてもみなされるため、課税の対象外になるようだ。
信仰に基づいていれば納税の義務はないということは、おみくじやお守りなどいわゆる“ご利益グッズ”と呼ばれる物品の売上も喜捨金に該当し、課税対象にならず神社が丸儲けできるようになっているのか? “収益事業”によって所得が生じた場合はきちんと申告し、課税する必要があるようだ。その課税対象となる収益事業のなかに、物品販売業が含まれている。
つまり神社で売られている、いわゆるご利益グッズは課税の対象となり、納税の必要があるように思える。しかし、国税庁のホームページによると、おみくじ、お守り、絵馬などはお賽銭と同様、喜捨金に分類され収益事業に該当しないという。
では、お守りやおみくじよりも一般的には高額となる場合が多い祈祷や玉串(神前にお供えするもの)は課税の対象になるのか?
祈祷や玉串の料金は万単位になることが多く、その金額ゆえに課税の対象になると思われるが、実のところ、これも“神社でしか出来ないもの”と判断され、課税の対象にならないようだ。
お賽銭やお守りは喜捨金(寄付)に該当する
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