【社畜幸福論】バブル世代が「社畜」を悪者にした
―[30代のための社畜幸福論]―
―― 今、「社畜」が再注目されている! ――
バブル崩壊以降、20年の長きにわたり、「社畜」はバカにされ続けてきた。だが、’10年代に入って潮目は変わりつつある。その流れを追った!
【’80年代】バブル以前は誰もが「社畜」だった
高度経済成長期以降、市場は爆発し、仕事は増えに増え、サラリーマンは気づけば社畜に。それを象徴していたのが、「24時間働けますか」と歌う「リゲイン」のCMだった
【’90年代】バブル崩壊→「脱社畜」ブーム
バブル崩壊とシンクロし、「会社人間」のネガティブな表現として「社畜」という言葉が広まる。雑誌記事のタイトルに、突如として「社畜」の文字が増えだしたのは’90年。「これまでオレたち、会社に尽くしすぎたんじゃないか?」という"反省"により、各メディアが「脱社畜」を提唱するようになる。「会社より家族のために生きよう」「社畜的人生から、個性と自由を回復しよう」などなど。以後約20年、この論調が続くことになる
【’00年代前半】「週末起業」など“社外活動”がブームに
不況が長引き、給料ダウンやリストラへの不安が加速。そんななか、会社を辞めずに週末を利用して副業を始めようと説く、藤井孝一『週末起業』が話題に。「会社に尽くす」という発想はますます薄れていった
【’00年代後半】「断る力」「残業ゼロ」などがキーワードに
’00年代後半、「非社畜的」なワークスタイルを推奨したビジネス書がブームとなる。勝間和代『断る力』、吉越浩一郎『残業ゼロの仕事力』などがベストセラーに。
「ワーク・ライフ・バランス」の概念も広まる。一方で、「社畜=ダメ社員」というイメージが強まっていった
【’10年代】「ノマドワークスタイル」に憧れる若者が増える
NTTアドの調査によると、20代の約6割が、決まった仕事場を持たず、遊牧民のように移動しながら働く、いわゆる「ノマドワークスタイル」に憧れているという。終身雇用制への信頼が揺らぎ、「会社に縛られるな」というメッセージが長年流され続けた結果だろう
【’10年代】「凡人サラリーマン」をクローズアップしたビジネス書が話題に
’10年代に入り、「非社畜的」なワークスタイルを、天才型でもエリートでもない普通のサラリーマンが実行しても、あまり効力はないことがジワジワと判明。凡人には凡人のやり方がある……と説くビジネス書が増え始める。その内容はかつての「社畜」のやり方に倣うところが多く、時代の揺り戻しを感じさせる
【’10年代】ゆとり世代の新入社員が登場
「社畜」が再注目されている最大の理由は、「ゆとり世代」が社会に出てきたこと。個性重視で育てられた彼らには「問答無用に知識を詰め込む」という発想がない。そんな彼らを放任していたのでは組織崩壊は必至。教育方針として「社畜」が見直されているというわけだ
※30代のための社畜幸福論【2】に続く⇒https://nikkan-spa.jp/144497
「社畜」になれないとダメな管理職に!
― 30代のための社畜幸福論【1】 ―
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