仮想通貨バブルはキャバクラですべて説明できる[コラム二スト木村和久]
一方、仮想通貨と似た動きをした相場が身近なところにありました。それが「ゴルフ会員権相場」です。バブルの頃は最高4億円が出たゴルフ会員権相場です。現在、不動産相場がバブル並みと言われているのに、ゴルフ会員権相場は土砂降り状態で目も当てられません。
これは過去において、実体のないものに投資してきた我々の過ち、すなわち負の遺産なのです。
ゴルフ会員権って何なの? と聞かれたら、「コースを優先的にプレーできる権利」というだけです。プレイ代の割引はありますが、平日はビジターと変わらず、土日が安い程度で200万円ぐらいする会員権だったら、10年間、毎週末にプレイしてトントン、決して儲かる商品じゃないのです。
ただ、バブル時代は関東すべてのゴルフ場が予約開始、2か月前の朝8時に予約で埋まる現象が起きました。混むから、とりあえず予約を取っておけとなったのです。その結果、ゴルフ会員権はうなぎ登りとなりました。
しかし、昔は2000万円したゴルフ会員権が今は100万円程度ですかね。これが適正相場というもので、またバブルのようになるとは、誰も思っていません。
というわけで、ゴルフ会員権相場は不動産相場と全く違うものとなりました。不動産は「リアルステート」と呼ばれていますから、土地に価値があり、変動の差があれ「無」にならないのです。つまり「リアル」なのです。一方、ゴルフ会員権は1回「無」になったものがあり、それから仕切り直しをして、現在に至っています。
続いて仮想通貨の適正相場を探ってみます。そもそも、通貨ですから、誰かがある程度保証してくれているのです。日本円は、日本政府と日本銀行が、これぐらいの買い物はできますという暗黙の信頼関係があって成り立っています。ゆえに明日から牛丼食べるのに、1万円とはなりません。
じゃ仮想通貨はどうなんですか。仮想という言葉を直訳すると、恐ろしい英語が出てきますよ。「ヴァーチャル」です。「なあ~んだ、ヴァーチャルかよ~。道理でリアルなお金が戻らないはずだよねえ」。ほんまかいな。
仮想通貨は交換所が日本円との交換を保証すると言っても、相場が不安定では何を基準にどう保証していいか、わかりませんよね。取引停止、出金停止となったら、実質の価値は「無」になってしまいます。
いいですか、世の中上手く立ち回れる人はキャバクラで5%です。株で儲けられる人は10人に1人です。仮想通貨も1割ぐらいの人が美味しい思いができると考えてたほうが無難だと思います。そこを胆に銘じましょう。みなさん、目を覚まさないと。まず人気キャバクラで、ドンペリを空け、散々痛い目にあってから、仮想通貨に挑んではいかがでしょうか。
■木村和久(きむらかずひさ)■
トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦。著書に『50歳からのかろやか人生』トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦。著書に『50歳からのかろやか人生』
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