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憧れの「ギブソン」倒産寸前! ギターはもうオワコンなのか?

それでもギターはオワコンじゃない

 ただし、この楽器をオワコンとみなすのは性急に過ぎる。あくまでも旧来のギターヒーローに頼ったビジネスモデルが立ち行かなくなっただけの話だからだ。『1843』で名前があがっているセイント・ヴィンセントやジャック・ホワイトのように、これからは詩的、絵画的な感性を持つギタリストが評価される時代になるだろう。バンドスコアではなく、写真集や画集からヒントを得る人間が音楽的にも勝利するだろう。
 ポール・マッカートニーが憧れていたジミ・ヘンドリックスだって、革新的な楽曲とサウンドの中にあのギターがあったからこそ天下を取った。ギタリストである以前に、偉大なソングライター、ミュージシャンなのである。  ギブソンの危機は、短期的には悲観すべき事態だ。だが長い目で見れば、音楽全体の中でギターの果たす役割を考え直す猶予が生まれたとも言える。スターシステムから脱却する、またとないチャンスなのだ。<TEXT/音楽批評・石黒隆之>
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。Twitter: @TakayukiIshigu4
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