更新日:2022年12月17日 22:53
仕事

「年収700万円世帯が買える新築物件」は、こんなに遠かった

住宅ローン

限界値を超えた住宅ローンを組んで破綻寸前に

 とはいえ、少しでもいい物件を購入したいと思い、「少しだけなら頑張れる」と限界値を超えてしまうのが住居費。だが、固定費として数十年にわたって払うリスクを理解しなければ、破綻の音は静かに忍び寄る。実際、30年の住宅ローンで4000万円の新築一戸建てを購入した会社員の前田祐介さん(仮名・44歳)はこう話す。 「うちの世帯年収は720万円。月々の返済額は13万3500円で少しでも早く返済を終えようと、ボーナス払いの年50万円も加えて払い続けています。でも、3年前から実家の借金を肩代わりすることになり、急にローンが苦しくなった。以来、子供のもの以外は何も買っておらず、家では穴の開いたスウェットを着て過ごしています。でも、その程度の節約では足らず、趣味で集めたレコードも処分して現金化。でも、いまだ貯金すらできない状況ですね」  前田さんの住宅ローンは残り20年。不測の事態が起きれば、すぐ破綻してしまうほど中流家庭の家計は脆弱だ。 【榊淳司氏】 住宅ジャーナリスト。バブル期以降、30年以上にわたりマンション分譲を中心とした不動産業界に関わる。著書に『マンション格差』(講談社)など <取材・文/高島昌俊> ※『週刊SPA!』4月3日発売号「中流[40代・年収700万円]の新限界値」より
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週刊SPA!4/10・17号(4/3発売)

表紙の人/ 小林よしのり

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