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農業に転身したら年収150万円でローン地獄に…元サラリーマンの大後悔

日本の相対的貧困率は15.6%――。この数値は本当に真実を語っているのか。東京と地方では年収や生活水準が異なるにもかかわらず、これまで一緒くたに語られてきた貧困問題。東京型貧困と地方型貧困に分けて考えたとき、日本のリアルが見えてきた! 今回は、独特のコミュニティに苦しむ地方型貧困の実態に迫ってみた
農業

※写真はイメージです

農業収入はサラリーマン時代の4分の1に激減!

――稲川敦也さん(仮名・39歳/既婚)・農業・年収150万円  都会で会社勤めをしていると、田舎暮らしにふと憧れることがあるが「現実はそんなに甘くなかった」と話すのは移住先の北海道で農業を営む稲川敦也さんだ。もともとは東京のインテリアメーカーに勤務していた。 「若い頃から『いつかは田舎で農業をしたい』という夢を抱いており、国の青年就農給付金制度を利用して3年前から北海道で農業に転身しました。最初は希望に満ち溢れていましたが、やってみると農業は想像以上に大変。正直このまま逃げ出したい気分です」  昨年の年収は150万円とサラリーマン時代の4分の1以下。しかも、このうち60万円は農閑期に建設現場や除雪アルバイトの日当1万円で得た農業以外の収入だ。 「離農した人の農地を家・納屋付きで安く譲ってもらいましたが、中古でしたけど農機具なども買い揃えなければならず、かかった初期費用は2500万円。新規就農にしては低く抑えましたが、会社員時代からの蓄えは一気になくなり、それどころか1000万円のローンを背負うハメに。でも、最初は農業が軌道に乗りさえすれば無理なく返済していけるはずだったんです」  だが、実際にはさらにローンを重ね、現時点での借金総額は1300万円に膨れてしまった。一緒に農業を手伝う妻は「今すぐにでも離農すべき」と主張する始末。毎晩のように子供たちが寝た後に話し合い、互いに声を荒らげることも珍しくないという。 「確かに、物価は安いですが収入が下がりすぎて、食卓に出る肉は豚と鶏のみ。それに北海道は冬場の灯油代がかかり、月ベースだと水道光熱費が東京にいた頃よりも5000円も高い。この前なんて、食材がないから近くの川で魚釣りして、何とか夕食に間に合わせました。だから、妻の言い分もわかるのですが、今さら離農してもこの年だと再びサラリーマンに戻るのも難しいでしょうね」  憧れの地方移住。だが、現実は進むも地獄、戻るも地獄のようだ。 ― 東京vs地方 貧困のリアル ―
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