付き合って半年間は一度もケンカすることなく、仕事も休みの時も常に一緒に過ごしていた。そんな幸せな毎日の中、些細なケンカで連絡を取らない期間があり、その時に衝撃の事態が起こる。 「仕事のことで言い合いになったんです。どこから片付けていくのが効率的かといった本当に些細なことで。付き合ったことで仕事面に対しても対等に接してきた彼女に違和感があったことも事実です。まったく分別をつけられていないところにもイライラして、大ゲンカになってしまって……」 　男として、先輩としての意地もあり、仕事中の事務的なこと以外口を聞かない期間が1か月くらい続く。その1か月後、同じ社内の友人から衝撃の発言を聞かされる。 「『彼女、外に男ができたらしいよ』と。ただの噂だと、ちゃんと彼女の口から噂を否定してもらいたかったので、久しぶりに彼女の部屋に行ったんです。そしたら、男がいましたね」 　その場で問いただすこともできず、後日彼女と話し合いの時間を持ったそう。すると彼女はある提案をしてきたという。 「『別れてるよね？』と聞いてこられました。あ、そうなんだってなりましたよ。その時に自分はまだ好きなこと、別れたくないことを言いました。すがっちゃったんです。そしたら彼女は『私も好き』と言ってくれたんです。『これからも会えるよ』と。 　そこから彼女の都合に合わせて呼び出される日々が始まりましたね。最悪なのは彼女、彼氏からの電話もその場で取るんです。そんな状況でも声を殺してしまっていた自分の女々しさにもガッカリでしたね……」 　その後、彼女は何事もなかったように数人の彼氏を経て、結婚を機に退職していった。逆に宮田さんは現在も独身。あれから新しい彼女もできそうな直前でいつもうまくいかないそう。当時の女々しい自分がフラッシュバックするのだとか。下手に出過ぎた恋愛は自身のプライドも傷つけてしまったようだ。〈取材・文／藤 文子〉 ― オレ史上最悪の恋愛体験 ―