更新日:2022年08月21日 12:25
ライフ

ホコリ、カビ、ダニだらけの布団に寝かされる自衛隊の演習訓練

「何もかもが足らない! ボンビー自衛隊の実態! 07」

演習宿営地のホコリとカビとダニ満載のマットレス【自衛隊は貧乏】

陸上自衛隊HPより引用

 自衛隊の営内は点検があり、シーツも必要に応じて交換されます。布団も干したければ屋上などに干すことはできます。衣服は各々ちゃんと洗濯するし、洋服が破れて自分の手ではきれいにつくろえない場合は、修繕専門の部隊もあるようです。アイロンの当て方なども厳しく言われたりしますから、自衛隊にいると身なりはきちんとするようになります。室内掃除の時間は決まっているし、営内の場合はきちんと掃除されているかどうかをチェックする機能もあるので、男性がばかりが住んでいる場所であっても秩序が保たれています。  しかし、自衛隊にも最低限の衛生的生活のチェックを受けない、もしくは目が届かない場所があります。昨年5月、北海道で小2の男児が広大な陸自の演習地近くで行方不明になった事件がありました。北海道では山林部は冷え込むこともあり心配されましたが、雨風を防げる場所「演習宿営地」内で6月3日に無事、保護されました。男の子が身を寄せていた「演習宿営地」は、演習や訓練でもなければ自衛隊員ですら近寄らない場所です。もちろん、そんな場所へのメンテナンスのために予算や人員を割くことはできないので、各地の宿営地の中はなかなかヒドイ状態になっているようです。  陸自の演習訓練には「状況下訓練(戦闘中)と状況下でない(戦闘中以外)訓練」というおおむね2種類の演習があります。通常のお風呂に入ったり着替えたりできる訓練と違って、状況下訓練中は戦闘中という前提なので、夜中でも見張りを立てて夜通し戦闘をします。交代で仮眠をとることはあっても、ゆっくり休んだりはできません。その演習にもよりますが、橋を爆破したり敵を撃破したり、ゲリラ作戦したりというような状況下の訓練だとなかなかゆっくり眠ることができないので大変です。
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たまにしか使わない演習場宿営地に、お金はかけられない
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おがさわら・りえ◎国防ジャーナリスト、自衛官守る会代表。著書に『自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う』(扶桑社新書)。『月刊Hanada』『正論』『WiLL』『夕刊フジ』等にも寄稿する。雅号・静苑。@riekabot


自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う

日本の安全保障を担う自衛隊員が、理不尽な環境で日々の激務に耐え忍んでいる……


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