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屋台のきゅうりで食中毒に…注意していても感染する恐怖

梅雨を迎え、いよいよ本格的に夏に突入していこうとする6月。気温と湿度が高まるこの時期は、細菌やウイルスの増殖、あるいは精神の変調によって、多くの“ヤバイ病気”がはびこるタイミングでもあったのだ。命をおびやかす病の正体を追った!
6月に急増[死に至る病]

※写真はイメージです

不意打ちでもノックアウト。驚異の感染力

死のリスク★★★☆☆ 罹患リスク★★★★★ ※数値は各識者の所見、厚生労働省発表の統計データを参考に、編集部で算出したもの  O157に代表される腸管出血性大腸菌感染症の増加は6月から始まる。“十分洗浄されていないものは避ける”のが対策なのはわかるが……。内科医の久住英二氏もその難しさを語る。 「本当にささいなことで感染は広がります。例えば4年前に静岡の花火大会で、屋台で売っていたキュウリで感染が起きました。原因は、手洗いやキュウリの消毒、保管の仕方が不十分だったこと。手洗いに石鹸を使うのはもちろん、キュウリは冷蔵すべきでした。また、汚染されたものが一つでもあれば触れたものにどんどん広がっていきます」  発症した場合、高熱に下痢や嘔吐、血便といったツラい症状が。そして、体が弱っている人がかかるとそれだけでは済まないという。 「高血圧や糖尿病で血管が傷んでいる人はさらに重症化する可能性があり、多臓器不全や意識障害になって死に至るケースがあります」  O157同様にリスクが高まるもう一つの病気として、腸炎ビブリオを挙げるのは消化器内科医の渡会敏之氏。こちらも下痢や嘔吐などの症状が伴う腸炎だ。 「腸炎ビブリオも5~6月から増加していきます。手洗いはもちろんのこと、生ものからの感染が多いので、外食でもできるだけ避けたほうが無難。かかってしまったら菌を完全に体外に排出しきるまで耐えるしかないですからね」  その際に注意しなければならないのは、やはり水分補給だとか。 「脱水状態になることによって、体力が低下している人や高齢者は、熱中症のように心筋梗塞や脳梗塞を併発する危険性があります」  注意していても外食による不意打ちでかかることもあるのが食中毒。事後策も頭に入れておきたい。 <この病にも要注意!> ・腸炎ビブリオ 原因菌は海水中に存在し、水温が15℃を超えると活動が活発になる。そのため海水温度が高い時期に獲れた魚介類には付着している可能性がある。真水でよく洗うことが必要 ・キノコ中毒 山菜アドバイザーの荻田毅氏いわく「6月のキノコと山菜は毒草と間違えやすい」という。「梅雨に生えるドククサコは道の駅で誤って詰め合わせの中に交じって販売されることも」 【久住英二】 医療法人社団鉄医会理事長。日本内科学会認定内科医。働く人に向けて21時まで診療するナビタスクリニックを新宿、立川、川崎に展開 【渡会敏之】 消化器内科医。宮本通りクリニック院長。医学博士。地域密着型のかかりつけ医として活躍する傍ら、雑誌やテレビでも医学情報を発信する ― 6月に急増[死に至る病] ―
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