大分県で初めて新型コロナウイルス感染者が確認された。感染したのは、大分県内のラウンジに勤務する30代の女性だ。
ついにキャバクラでも感染者が出てしまったことに、夜の世界では不安視する声が上がっている。今回の件について現場で働くキャバ嬢達は何を思うのか? 調査してみた。
感染よりも怖いのは「バレ」

リコさん
まず、話を聞いたのは大阪・ミナミのキャバクラに勤務するリコさん(仮名・20歳)。現在、大学2年生のリコさんは、春休みを利用してキャバクラでバイトをしているという。
「大阪のライブハウスに感染者が行ったというニュースを聞いた辺りから、お客さんがこれまで以上に激減し、店も女の子の出勤人数を減らしていたので『ヤバイかも……』と思っていたんです。最近の出勤はたった5人で途中から店カラ(客が0の状態)になったので、いつもより早く閉めました。大分のキャバクラで感染者が判明したという報道を見て、感染はもちろんですがキャバクラで働いていることが報道でバレる恐れがあるのが、1番怖いと感じましたね」
春休みを利用してキャバクラでアルバイトをする学生の中には、親や彼氏に内緒で働いている場合も多い。そのため、報道によって「親バレ」や「彼氏バレ」することが怖いのだとリコさんはいう。また、店に来る客でも「家族バレ」に怯える者もいるだろう、とリコさんは考える。
「独身のお客さんは良いのですが、もし感染したら感染経路を調べるためにキャバクラに行ったことを言わないといけなくなるんですよね。既婚者のお客さんだったら家族に内緒で来ている人もいるので、行っていたとしても口を割らなそう。ニュースで名前が出るわけでもないので、店側からしてもお客さんが感染してるかどうかも分からないじゃないですか。
もし、知らないまま営業を続けていたら、あっという間に店中に拡大感染してしまいまいますよね。もう、いっそのことキャバクラもしばらく一斉休業にしたほうが良いのかもしれない……」
感染者の中には自身の外出先を偽っていた人も報道されており、リコさんはそれを不安視しているという。続いて、話を聞いたのは東京都下のラウンジに勤務する穂乃果さん(仮名・26歳)。すでに数十人の感染者が確認されている都内だが、穂乃果さんはキャバクラにおける感染予防について疑問を持っているという。
「飲食店とかに比べるとキャバクラは予防に対して危機感が少し足りないかな……という印象はあります。飲食店だったら、入店時に手を消毒してもらったりなどの対策をとっているじゃないですか。それなのにうちの店はトイレにしか消毒液が置いてないんです。
さらに、客のコートをクロークに預けるのですが黒服が素手で受けとってそのまま手も洗わないんですよね。それにお客さんも入店前にはマスクをしているのですが、飲むときにマスクを外してテーブルに置いたり。それを帰るときにつけて帰るとか、絶対に不衛生じゃないですか。ただでさえ窓もない店内で隣に座って接客するのに、店側と客が徹底した予防をしないと、キャバクラなんてあっという間に感染拡大すると思いますよ……」