雑学

発達障害で6社も転職した38歳、最終的に行き着いた働き方とは?

 かつては未成年の問題だと思われてきた発達障害が、「大人の問題」として急速に認知され始めている。メディアでの露出も増え、自分や周りの人間に対して「実はそうなのかも」と思った人もいるのではないか。果たして「大人の発達障害」を抱える社会人たちの現状とはどんなものなのか。生きづらさを抱える大人たちの姿に迫った。

1fa513505256d7072bc8d38650304374_s●加納孝之さん(仮名・38歳)……昨年末に発達障害だと診断された。ADHDとASD両方の傾向がある。医師からは効き目の強い薬を処方されている

何度も転職を繰り返し行き着いたのは自由業


 発達障害の症状によって職場を去ることになった人もいる。

「長く精神科に通っていたのですが、去年ようやくADHDの診断をもらいました」と話す加納孝之さん(仮名・38歳)が発達障害を自覚し始めたのは、大学生時代だった。「完全に孤立していて、よく教授とご飯を食べていた」という大学生活を終えた後、6社も転職することになったという。

「新卒入社の会社は、プログラムの勉強ができる代わりに薄給で働かせる、あこぎなSE派遣会社でした。『なんかおかしいな』と思ってたんですが、派遣先の人から誘われて最初の転職をしたんです」

 転職先の企業は繁忙期になると当然のように残業が発生するITベンチャー。しかし、加納さんは「ほかの人が300時間くらい働くなかで、僕は140時間くらいしか会社にいなかった」という。

「僕は昔からひどい多動症で、長時間じっとイスに座っていられないんです。会社からは『(定時の)月160時間は仕事をしてくれ』と言われ、いなきゃダメだと思いつつもガマンできず『やることがないからもう帰ろう』と。人間相手なら理不尽にも耐えられるんですけど、社会的なルールに対してはなぜかガマンができない。そんなだから同僚からの評判も最悪で、結局、半年で辞めてしまいました」

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現在はフリーのエンジニアとして生計を立てる

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