雑学

メディアで話題「大人の発達障害」。中年になるまで自覚がない人も…その症状とは?

かつては未成年の問題だと思われてきた発達障害が、「大人の問題」として急速に認知され始めている。メディアでの露出も増え、自分や周りの人間に対して「実はそうなのかも」と思った人もいるのではないか。果たして「大人の発達障害」を抱える社会人たちの現状とはどんなものなのか。生きづらさを抱える大人たちの姿に迫った。

発達障害

仕事でミスばかりなのは生まれつきの脳の特性?


 昨年から「発達障害ブーム」と呼べる現象が起きている。NHKでは何度も特集が組まれ、ネットでは発達障害の傾向を自己診断できるチェックリストもよく見かける。

 では、そもそも大人の発達障害とはどのような症状なのだろうか。発達障害当事者の取材を行っているライターの姫野桂氏が解説する。

「一言でいえば、発達障害は先天性の脳の特性により『できること/できないこと』に偏りがある障害です。主に3つの種類があって、独特なマイルールがあったりコミュニケーションに問題が生じる『ASD(自閉スペクトラム症)』、衝動的な言動や不注意などが目立つ『ADHD(注意欠陥・多動性障害)」、知的に問題はないのに読み書きや計算が困難な『LD(学習障害)』です。しかし、人によって上記の症状が交ざって出たりするため、“ここからが発達障害で、ここからは定型発達(健常者)”という線引きが難しく、専門医でもハッキリ診断できないんです」

 誤解されがちだが、発達障害は成人後に突然なるのではなく「幼少時から抱えていた問題が大人になって露見した」ものだ。つまり、これまではただ単に「仕事ができない人」と片付けられてしまっていた人が、そもそも周囲とはスタート地点が違うのだと、改めて認知され始めたということになる。

 また、ここ数年は発達障害であることをカミングアウトする芸能人がいたり、堀江貴文のヒット本から「多動力」という言葉が話題になったり(多動症はADHDの代表的な症状)。さらにビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズも発達障害の傾向を指摘されている。

「そういったカリスマ経営者になぞらえて『発達障害=すごい才能の持ち主』という認識すら広まっています。確かにその側面もあるでしょうが、あくまでごく一部の話で、圧倒的多数の人たちは日々の職場で苦しんでいるわけです」

 そう分析するのは、産業医として多くの会社員を診察する大室正志氏だ。他人がすぐにできるようになる仕事ができず、職場でのコミュニケーション上の問題が生じ、「その結果、職場にいられなくなってしまうケースも少なくない」という。一説には成人の1割が該当するというデータもあり、それなりの規模の会社ならば、どこにでも発達障害の人がいておかしくはないはずだ。

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発達障害の当事者が多い会社とは?

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