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「スマホナビのパンク現象」を発見!グーグルマップもヤフーカーナビもお盆渋滞では役立たず

 今年のお盆渋滞研究、最大の成果は「スマホナビのパンク現象」だった! 「チコちゃん、お盆休み、何して過ごした?」 「渋滞情報ばっかり見てた」  NHK『チコちゃんに叱られる!』で、そんな会話を耳にしたが、かく言う私も、渋滞情報ばっかり見てました。なにしろ渋滞研究家なので。
お盆渋滞

渋滞する東北道

「渋滞研究家なら、自らお盆渋滞に突入しろ!」って感じだが、それは昔さんざんやって、どの車線が速いかとか、高速と下道どっちが速いとか、ずいぶんいろいろ実地調査を行った。それをいまさら再実行するより、家で渋滞情報を見ていたほうが、すべての路線の渋滞状況を俯瞰できるぶん、研究になる。

結局渋滞時、高速道路と一般道速いのはどっち?

 今年の下り渋滞のピークは、8月11日(土)と予想されていた。そこで、当日の朝8時前後に、東名・中央・関越・東北・常磐の各路線の渋滞情報を確認。各路線とも、いつものお盆渋滞とほぼ変わらず、30~40km前後の渋滞が発生していた。  同時にスマホで、グーグルマップとヤフーカーナビを使い、所要時間予測も行ったが、どの路線も渋滞ナシの場合に対して「プラス1時間余」という結果に。  ヤフーカーナビには一般道優先モードがあるので、そっちも試してみたが、東名(御殿場ICまで)と中央道(河口湖ICまで)、東北道(矢板ICまで)では、それぞれ高速道路に対して約1時間遅れ。関越道と常磐道では約30分遅れという結果が出た。  私は「高速道路と一般道どっちが速い」との問いに対して、以前から「9割がた高速のほうが速い」と答えていたが、それを裏付ける、実に平凡な結果となった。

特に長い渋滞が発生した箇所(各社の上下別ワースト1位)「お盆期間における高速道路・国道の交通状況(速報)」より

 そんな感じで私が渋滞情報を見ていた時、担当Kは、故郷の青森を目指し一家で一路、東北道を北上していた。  Kは、埼玉県の浦和料金所から青森県の十和田IC間約600kmの移動に約13時間もかかったという。途中休憩が合計約3時間で走行時間は10時間ほどだが、渋滞ナシなら6時間ちょっとのところを(休憩を入れても9時間)、プラス4時間ほどかかっている。

SA・PAでは駐車スペースに止めるのもひと苦労

 出発時間の違いを考慮しても、スマホナビの所要時間予測より、だいぶ余分にかかった印象だ。以下、担当Kの渋滞リポートだ。 午後11時20分 埼玉県の浦和料金所通過。今年のお盆期間は、休日3割引の適用日が前倒しされた影響か、とにかくクルマが多く、各所で渋滞。ただ、完全停車するほどではない。 午前3時すぎ 浦和料金所から約160km、那須高原SAで、ようやく1回目の休憩。所要時間4時間弱。駐車スペースを探すのが大変だった。ここまでSAやPAに入ろうにも、入場渋滞で、蓮田SA、羽生PA、佐野SAをスルー。上河内SA~矢板IC間の混雑がひどかった。約1時間休憩して出発。 午前6時すぎ 安達太良SA、国見SAは入場渋滞で入れず、菅生PAでようやく突入に成功。2回目の休憩をとる。交通量は依然として多い。さらにひどいのはSAのガソリンスタンド渋滞。SAのスタンドはバカ高いのに不思議だ。少なくとも関東圏からのクルマなら、満タンで出発していれば、まだ給油は不要なはず。約30分休憩して出発。泉PA付近で事故渋滞に遭う、涙。 午前8時すぎ 長者原SA到着。約1時間休憩して出発。岩手県に入ってから、ようやくスムーズに走れるようになる。その後2か所でトイレ休憩(約10分)を取る。 午後12時30分 青森県の十和田ICに到着。  そこで、上り渋滞ピークと予想されていた8月14日(火)の午後6時ころ、仙台―東京間の予想所要時間を、同じくグーグルマップとヤフーカーナビに算出させてみた。
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お盆渋滞のピークにはさすがの人工知能も役立たず
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

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