ストリッパーはOLより稼げるの?薄給でも続ける理由
多様化が進む性産業の中でも、伸びていく業態、衰退していく業態は存在する。中でも全盛期にくらべて右肩下がりを続けるというストリップの現状とは? その懐事情に迫るべく、2人の業界人に話を聞いた。
1人目は劇場で働く従業員にして、自身もストリップ愛好家だという次元氏だ。
――早速ですが、劇場従業員の給与体系はどのようになっているのでしょうか?
次元:ストリップの公演自体が1クール10日で、それに合わせて出勤や休日が決まります。私の場合、進行・照明・アナウンスなどを全てこなしているので、勤務時間は1日12時間~という感じですね。それで1か月の手取りは20万円ほどといったところでしょうか。休みは10日ごとに一日と、もう一日は他の従業員と調整しながら取っています。
――お客さんはチップをどのようにして支払うのですか?
次元:踊り子さんの演目が終わると、ポラロイドショー、オープンショーと続き、ここでチップやお土産を渡すことができます。劇場にもよりますが、相場はポラ1枚500円、チップ1人1000円ほど。さすがに全盛期のように、万札でレイ(ハワイの首飾り)や扇をつくる豪快なお客さんはいませんが、それでも全ての踊り子さんと写真撮影して、全員にチップも渡すお客さんもいますね。さらに「初日から千秋楽の10日間を皆勤」や「劇場をハシゴ」というお客さんもいるくらいです。
続いて取材を敢行したのは、昨年10月に劇場デビューを果たしたばかりの新人ストリッパー・悠木美雪さん。次元氏は「デビュー1発目であそこまでキレキレのダンスを披露できる踊り子は稀。しかもスタイル抜群で顔も美形」と絶賛。常連のお客さんが惚れ込むほど印象深いショーを見せくれるという、若手の有望株のひとりだ。
――ストリップ嬢を始めた理由を教えてください。
悠木:元々AV女優として活動していたのですが、デビューすることになる1か月前くらいに、いきなりマネジャーから「ストリップをやってみない?」と誘われたんです。そこで、まずは体験してみようかなとくらいの感覚で1回出演してみたら、知らない内にその後の公演が決まってて(笑)。さすがに劇場に私の名前が載っていたら断れないなと思ってまた出て、今に至ります。
――乗り気でなく始めたストリップを現在も続けているのはどうしてですか?
悠木:先輩の踊り子さんたちがすごかったからかな。ストリップの舞台構成は踊り子が自分で考えるのです。だから、袖の取り方や仕草、表情、衣装など、踊り子によって魅せ方が全く違うしみんな工夫していて、そこにストリップの奥深さを感じたんですよね。芸術性を追求しながらも、女性の色気で男性のお客さんを勃起させることができる。AVに出るよりもお客さんとの一体感を味わえるんです。
――ぶっちゃけた話、踊り子さんのギャラは?
悠木:キャリア、集客力、知名度で変わりますが、デビューして間もない私は一般企業の新卒初任給より少し多いくらいですかね(笑)。「10日間の40公演でいくら」というように公演ごとにギャラが決められていて、スケジュールに穴をあけた場合はその分天引きされる仕組みなっています。
――「結構稼いでいるんでしょ」と、お客さんから言われませんか?(笑)
悠木:よく言われます(笑)。けどそんなこと全然ないんですよ。レッスン代はもちろん、衣装代や地方公演に行く際の交通費、宿泊費まで全て自腹ですから。手元に残るのは雀の涙ほどですよ。それでも、あのライブ感や高揚感は別格。一度味わったら虜になっちゃいますね。
決して潤っているとはいえないながら、まだまだ熱のある人材の多いストリップ業界。裏方が支えるステージ上の高揚感に魅入られて踊る彼女たちの姿に、私たち客もまた酔いしれるのかもしれない。
<取材・文/キンゾー 撮影/杉原洋平>
給料の手残りは全然ない! それでもストリップ嬢を続ける理由

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