ストリッパーたちの過酷スケジュール「一年で休みが5日しかないことも」
近年、外国人観光客や女性ファンも増えている日本のストリップ。外国語の案内シートや女性優先席を設置する劇場も出てきているが、ファンを魅了する踊り子たちの生活がアスリート並みに厳しいことはあまり知られていない。
現役のストリッパーで、今も全国の劇場を飛び回るWさんは、そのハードスケジュールについてこう語る。
「一番忙しかったころは、年間で5~10日休みがあればいいほうでした。ひとつの劇場で10日間公演をするので、10日働くか、10日休むかの選択になってしまうんです。一日4回は舞台に上がりますし、大変ですよ」(Wさん)
また、狭いスペースに5~6人の踊り子たちがひしめく楽屋では、他の伝統芸能にも通ずる徒弟制度が色濃く残る。
「個室の楽屋があればいいですけど、そうでないところも多い。ベテランの姉さんに迷惑をかけないため、新人の教育は中堅の踊り子が担当します。完全に縦社会で体育会系気質が強いので、挨拶ひとつでも『こんにちはじゃなくて、おはようございますだろ!』と怒られることもある。最近はストリップ業界でもゆとり世代のコが増えてて大変なんです(笑)。中堅の踊り子は演目や振り付けについてアドバイスをすることもあります」(踊り子歴11年のLさん)
女性オンリーの職場なだけに人間関係も複雑そうだが、その点に関しては「ベテランの姉さんがいれば、喧嘩とかは絶対起きない」(Lさん)そう。仲のいい踊り子同士はプライベートでも食事に行くなど、厳しい世界ではあるが、結束は強いのだ。
しかし、劇場によって楽屋の広さや、個室の有無はまちまち。それだけに思わぬトラブルが起きることも……。
「楽屋でオナニーしていたら、ベテランの姉さんに入ってこられました。『ゴメンね』と反対に謝られて気まずかったです(苦笑)。あと、個室でも壁が薄いところが多いので、劇場の男性スタッフに『声、漏れてるから……』と諭されたこともありました。なかなか気を緩められないので、疲れますね」(Lさん)
業界に詳しい元劇場マネジャーのO氏によれば、過酷なスケジュールとプライバシーの少なさ、縦社会に馴染めず辞めてしまうコもやはり少なくないんだとか。では、気になるお給料のほうは……?
「ギャラの平均額は10日で30万円、トップクラスの踊り子で100万円程度です。人気AV女優などが転向してきた場合は、それを超えることもあります。ただ、月で90万円といっても、そこから衣装代、宿泊費、交通費を払わなくてはいけない。公演が終わって、翌朝地方の劇場に移動して、昼から舞台に上がるなんてこともザラ。決して高いとは言えないと思います」(元劇場マネジャー)
現在、全国では120~150人の踊り子が活躍中。きらびやかなダンスと美しい体でファンを魅了しているが、その生活には高い意識と体力が求められるのだ。
※現在発売中の『週刊SPA!』5/16発売号では「日本のストリップは文化遺産である」という特集を掲載中。
<取材・文/日本のストリップ調査班>
徒弟制度が色濃く残る、踊り子同士の関係
先輩に楽屋でオナニー姿を目撃される
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