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ベテランストリッパーが語る黄金時代「地方巡業は町おこしのようなお祭り騒ぎ」

 いつでもどこでも気軽に裸が見られるデジタル・エロ時代にありながら、ストリップ劇場は令和になっても細く長くしぶとく、生身の女性の裸体だけを日夜見せ続けている。岬のようにせり出したステージとミラーボールを除けば年季の入ったミニシアターのような空間で、年代もタイプも様々なストリッパーと呼ばれる踊り子たちが音楽に合わせて生まれたままの姿をさらけ出す。  日本でのストリップは60年以上の歴史を持つ“大人の伝統芸能”ながらも、近年は建物の老朽化や客足の減少にともなう劇場の閉鎖から、衰退の一途をたどる“絶滅危惧種”でもある。新時代・令和に踊るストリッパーたちは今何を思うのか。その隆盛をステージ上から見つめてきたベテランストリッパーの矢沢ようこに話を聞いた。

ベテランストリッパーの矢沢ようこ氏

デビュー当時の地方巡業は、“ストリップフェス”状態

 矢沢がデビューしたのは、今から遡ること23年前の1997年。スマホという概念すら存在せず、PHSが主流だったあの頃。当時人気AV女優だった矢沢の生身の裸体を見ようと、辛抱たまらん男たちが東京のストリップの名所・浅草ロック座に馳せ参じた。 「今でも覚えているのが、常連のお客様から『指先しか見えなかったよぉ』と言われたこと。AV女優という存在自体がもの珍しかった当時、そのAV女優のモザイクなしのすべてが見れるわけですから、人が沢山殺到しました」と振り返る。  地方巡業はもはやストリップフェス状態だった。『全裸監督』こと村西とおるが発掘した伝説的AV女優・桜樹ルイらとの巡業では「私たちが行くとその町も盛り上がるというか、町おこしのようなお祭り騒ぎでした。まさにストリップフェス。私がデビューした時代は、お客さんが押し寄せてドアが閉まらないという名残がまだありました」と異様な盛り上がりを記憶している。  しかしながらここ数年、その盛り上がりも今は昔の感がある。何度も復活を遂げた老舗ストリップ劇場・広島第一劇場をモチーフにした映画『彼女は夢で踊る』(今秋、新宿武蔵野館他、全国順次公開)は、そんなストリップ劇場のオーナーと踊り子たちの悲哀の物語。矢沢もストリッパー役として出演し、妖艶な踊りを披露している。「広島第一劇場はデビューから立たせてもらっているヌードの殿堂。作品を通して、歴史的建造物のようなストリップ劇場やそこで踊るストリッパーたちに興味も持ってもらえたら嬉しい」と期待する。

老舗ストリップ劇場・広島第一劇場をモチーフにした映画『彼女は夢で踊る』(今秋、新宿武蔵野館他、全国順次公開)©2019 映画「彼女は夢で踊る」製作委員会

矢沢もストリッパー役として出演。妖艶な踊りを披露する。

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ストリップ消滅を食い止める鍵
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◆映画『彼女は夢で踊る』
劇場には忘れられない恋があった。

◆出演:加藤雅也、犬飼貴丈、岡村いずみ、横山雄二、矢沢ようこ

◆監督・脚本・編集:時川英之
(映画『ラジオの恋』 『シネマの天使』『鯉のはなシアター』)

◆企画:横山雄二
◆撮影:Ivan Kovac / Jeremy Rubier
◆プロデューサー:時川英之 田辺裕美子 

◆挿入歌:「Creep」作詞・作曲 Radiohead/「恋」作詞・作曲 松山千春

◆配給・宣伝:株式会社アイエス・フィールド
◆制作プロダクション:TimeRiver Pictures株式会社
◆© 2019 映画「彼女は夢で踊る」製作委員会
〈2019年/16:9/5.1ch/95分/>PG12

◆HP:http://dancingdreams.jp/

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