ジジ臭く見えるという理由からこれまでNGだったチョッキがリバイバルし、モテアイテムに昇華されたことは意外と知られていません。ビジネスファッションの多様化が進んだ結果、近年「ニットジレ」と呼ばれるアイテムが登場しました。 　素材はニットセーターと同じなのですが、見た目はスリーピーススーツのベストそのものなのです。つまり、エレガントな見た目でありながら、ジャケパン姿にも合います。ノージャケットであってもスタイリッシュな出で立ちです。 　ただ、ニットジレを選ぶときに注意したいことは縁取りの有無。ベストの縁取りがリブ編みになっているタイプは、ニットジレというよりレトロなチョッキ風に見えがちだからです。スリーピースベストというより、袖がないカーディガンに見えてしまいます。 　カーディガンが悪いわけではありませんが、袖がないカーディガン風、これこそジジ臭いチョッキに見えてしまう原因なのではないでしょうか。 　ジャケットとシャツの間に挟む秋冬アイテムひとつとってもいろいろな種類があります。見た目の印象は似ていますが、その印象が180度別物だということをお忘れなく！ 　秋冬のビジネスファッションならば、「スリーピースベスト」「ニットジレ」に絞ってみてはいかがでしょうか？　これらはツープライススーツ5大ブランドで手に入りますから、ぜひ手に入れてみてください。＜TEXT／森井良行＞“あなたのお抱えスタイリスト”として、その違和感を言葉で可視化する。著書『38歳からのビジネスコーデ図鑑』（日本実業出版社）など5冊。MENSA会員。公式サイト「エレカジ」では、80件を超えるコーディネート事例を公開。