冬のボーナス平均95万円ってウソでしょ?「もらえるだけマシ」な人たちがため息
冬のボーナスの季節がやってきた。テレビの報道などによれば、今年の冬のボーナス支給額の平均は95万円超で過去最高額、業績の好調、まさに「アベノミクス」がもたらした好況とも思える。都内の大手ゼネコンに勤務する吉高治さん(30代・仮名)のボーナスは、なんと100万円を超える見込みで、この寒空の下でもホクホク顔だ。
「年越しは妻と子どもとスペインで過ごすので、その費用と考えています。あとは妻に財布をプレゼントしようかと。今年は給与も上がりましたし、オリンピック特需など好景気のおかげですね」(吉高さん)
なるほど、世は好景気……。いや、果たして本当に世は好景気なのか?
都内の非上場企業に勤めるエンジニアの田村祐一さん(40代・仮名)は、毎夏、毎冬前に必ず報じられる「ボーナス平均額」報道を、唇をかみしめながら眺めている。
「好景気? どこの貴族階級の話かって感じですよ。そもそも、うちはボーナスがない。ボーナスがないからといって月給が高いわけでもなく、年収はこの10年間で420万円を上回ることもなかった。これから上がる見込みだってない。うちの親会社はボーナスが出るようですが、それでも給与の1.5か月程度。95万もボーナスが出る会社なんて、日本でも数少ないはず。“平均”なんて言いますけど、到底信じられない。仕事は確かに増えていますが、給与はなぜか上がらないんですよ。親会社の社員や株主など、選ばれた人々ばかりが儲かっているんではないかと疑ってしまいますね」(田村さん)
千葉県内の介護職員・満本忠義さん(30代・仮名)も「ボーナス平均額」報道を見るたびに「別世界の出来事だ」とため息をつく。
「今年初めて夏のボーナスが出ました。9万円です。車の車検代にすべて消えました。家電量販店やネット通販で“ボーナス払い”セールやってるでしょ。でも俺には関係ねえなって。冬も出るそうですが、5~6万。まるで子どものお年玉ですよ。まあ、この業界、本当に厳しいので出るだけマシですが、ボーナスが何十万ももらえるような上級国民のみなさんの平均額を知らされたところでね……。なんなんでしょう、あのニュース。必要ですか?」(満本さん)
ボーナス“過去最高”報道に違和感「上級国民の平均額を知らされたところで…」
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