たくさんの仕事が並行してもパニックにならないためには?/佐藤優
― 連載「佐藤優のインテリジェンス人生相談」―
“外務省のラスプーチン”と呼ばれた諜報のプロが、その経験をもとに、読者の悩みに答える!
★相談者★トリカブト(ペンネーム) 会社員 男性 34歳
私はマルチタスクで仕事ができません。1つの仕事を任せられると、それに集中してしまい、ほかの仕事が後回しになってしまいます。先日もプレゼン用の資料(私は営業職です)の作成を任されていたのに、別の仕事で手いっぱいで忘れてしまい、先輩に迷惑をかけてしまいました。
先輩から「うちの子供みたいなヤツだな」と嫌みなのか何なのかわからないことを言われます。佐藤さんは毎月ものすごい量の原稿を書かれると、本で書かれていたのを読みました。どうやって、多くの仕事を処理できる能力を身につけたのか教えてもらえないでしょうか?
◆佐藤優の回答
マルチタスクで仕事をするのは本当に大変です。その理由は2つあります。時間不足とマンパワー不足です。この点について、海上自衛隊で護衛艦「はるゆき」艦長、自衛艦隊司令部幕僚長、横須賀地方総監などを歴任した堂下哲郎氏が興味深い指摘をしています。
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時間的制約とマンパワー不足は司令部勤務の代名詞のようなものかもしれません。もたらされた情報量が個人またはグループの処理能力を超えている場合、「情報過多(Information Ove rload)」となるのは必定です。
手早く処理するために、使い慣れた仮定や枠組みに適合する情報を採用し、新たな考え方を検討しなければならない情報は無視あるいは軽視される傾向が見られます。これにより、誤った仮定や枠組みが放置され、本格的な検討を要する情報の端緒を逸する可能性が考えられます。
(『作戦司令部の意思決定――米軍「統合ドクトリン」で勝利する』187頁)
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あなたも時間に追われて、抱えきれないほどの仕事があるのだと思います。1つの仕事に集中してると、他の仕事を忘れてしまうことはよくあります。この問題を解消するために、大学ノートを1冊用意しましょう。
そこにこれからやらなくてはならない仕事を書き出しておきます。そして、プライオリティ順に番号を振っておきます。そうすれば仕事を忘れることはなくなります。重要なのは、メモ用紙やリポート用紙ではなく、必ず綴じられたノートに仕事リストを書くことです。そうすれば散逸することがありません。
マルチタスクで仕事ができる人間になりたい
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’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』など著書多数
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