織田裕二主演『SUITS/スーツ』がいよいよ最終回。法廷シーンは最後まで登場しないのか?
この秋スタートの連続ドラマもいよいよラストを迎える。その中でも、ここに来て織田裕二主演の『SUITS/スーツ』(フジテレビ系・月曜21時~)が見逃せない展開となっている。最終回を前に、なぜこのドラマがここまで面白いのか、改めて考察してみたい。
本作の見どころははなんといっても“バディもの”としての面白さを貫いているところにある。本作の主人公である甲斐正午(織田裕二)は自他ともに認める“負けない弁護士”だ。頭がキレる反面、勝利のためなら違法行為ギリギリの手段を用いる、まさに実務に長けた“やり手”である。 この甲斐とパートナーを組むハメになったのが、一度目を通しただけでその書類のすべてを完全に暗記する脅威の記憶力の持ち主にして“鈴木大輔”の替え玉・鈴木大貴(中島裕翔)。大貴は頭脳のスペックだけ見れば遥かに甲斐を上回っているが、いかんせん実戦経験に乏しい。この2人が互いに足りない部分を補って訴訟に勝ち続ける姿が痛快なワケだ。それは同時に大貴の弁護士としての成長物語にもなっていて、第10話の冒頭でのクライアントから「この親にしてこの子あり。さすが甲斐先生のお弟子さん」と褒められるシーンはまさにその象徴といえよう。 本作ではこの二人を中心に物語が展開していっているが、もちろん他の脇キャラにも個性的な面々が揃っている。特に鈴木保奈美演じる幸村・上杉法律事務所の所長兼代表弁護士・幸村チカと織田裕二演じる甲斐とのツーショットシーンは、あの往年の名作『東京ラブストーリー』を知る視聴者からすれば、毎回ワクワクものに違いない。当時は恋人関係だった二人が今回はビジネスライクな上司と部下を巧みに演じているからだ(『東京ラブストーリー』での鈴木保奈美の役名は赤名“リカ”だったが本作では幸村“チカ”と一字違いになっている点は注目に値する)。
さらに脇役ではなんといっても小手伸也演じる蟹江貢だろう。甲斐のことをライバル視しているものの、その甲斐からは“カニ”と呼ばれ、小馬鹿にされて完全に眼中にはない存在なのだが、弁護士としては間違いなく有能。 ひねくれていて、部下にはキツく当たったりすることも多々あるが、実はお人好しな一面もあり、憎めないヤツ。まさに圧倒的な存在感を本作で発揮しているのだ。そんな蟹江と甲斐はときに対立したり、ときに協力し合ったりして、訴訟と相対する。つまり、この二人が巡らせる策謀や駆け引き、そして丁々発止のやりとりが見どころの一つのなのである。
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