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2018年の自動車業界は何があった?不正問題から話題のクルマまでふり返る

 選考委員60名に各25点の持ち点が与えられ、一次選考でノミネートされた10台の中から「今年の1台」と思うものに10点を投票。残り15点を4台に配点する日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)。今年は、史上初でボルボが連覇。昨年のXC60に続いてXC40が選ばれた。

 続々と不正が発覚し、スズキやスバルが選考を辞退するなど、今年も自動車業界は問題が山積みでした。

オートクラブ西村直人=文
Text by Nishimura Naoto

不正発覚報道に沸いた2018年。平成最後のCOTYはボルボ「XC40」に決定


 今年の自動車業界は大いに荒れた。スズキやスバル、そして日産で発生した完成車検査の不適切な取り扱いは、業界のみならず多くの自動車ユーザーから不審の目が向けられた。「国が定めた検査項目が厳しい」、「時代にそぐわない」という声があるにせよ、大半のメーカーは法令遵守しているので理由にはならない。社内における再発防止策の徹底と、完成車検査の基準見直し案や意見書を国に提示するなど、前向きな策が取られることを望みたい。

 加えて、日産自動車のゴーン氏逮捕は業界を震撼させた。ルノー、日産、三菱のパワーバランスや、この先の展開には読めない部分も多いが、日産ファンは世界中にいることを忘れないでもらいたい。

 このように突風が吹き続けた日本の自動車業界だが、明るい話題もあった。筆頭は20年ぶりに新型となったスズキのジムニー/ジムニー・シエラだ。「ラダーフレーム」と呼ばれる丈夫な骨格に、スズキ伝統の4輪駆動システムを組み合わせたその走りは、トヨタのランドクルーザーをもしのぐ。特に、軽自動車規格のジムニーとボディやサスペンションを共用し、ワイドフェンダーと大きなタイヤを履かせたジムニー・シエラは瞬く間に大ヒット。今年新型が出たメルセデス・ベンツGクラスにも似たボディデザインも受け、納車まで3年といわれた。

 日本を代表するモデルも新型が出た。クラウンとカローラ・スポーツは、ともにTNGAと呼ばれる新しいトヨタのクルマ作りから生まれた2台。クラウンは日本市場向けの純粋な4ドアセダンながら、欧州や北米の新型車と同じくドイツのニュルブルクリンクで走行テストを重ね、高い走行性能をアピールした。一方、ハッチバックスタイルのカローラ・スポーツは、フォルクスワーゲンのゴルフをライバルと見据え、本気で開発に臨んだ1台だ。

 この2台の話題は、その走行性能だけにとどまらない。共通する注目点は、コネクティッド技術をふんだんに採り入れたことだ。コネクティッド技術は、将来の自律自動運転を下支えする要素技術で、同じく自律自動運転に不可欠な人工知能との関連性が深い。要するに、「音声」を操作コマンドとして多用しているのだ。人の発する言葉の並びや組み立て方を人工知能が忖度し、人が欲する答えを人工音声で返してくれる。メルセデスの新型Aクラスや、来年、日本に導入されるBMWの新型3シリーズなどにも、音声を使った仕組み(「HMI」)が使われる。

 結果、クラウンは発売直後に約3万台/月、カローラ・スポーツにしても約1万台/月をそれぞれ受注するなど好調なセールスを記録中。「「2020年には自動運転技術を市販化したい」とするトヨタの計画には、ユーザーがクルマを使い、しゃべり続けることで開発を加速させたいという目論見が見え隠れする。

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年末恒例、第39回COTYはボルボXC40

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