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増加する高齢者ネトウヨ。若者よりヤバい“リアルな行動力”

 弁護士大量懲戒請求事件で明らかになった高齢者ネトウヨの存在。スマホを片手に“理論武装”する、高齢者ネトウヨの実態とは?

高齢者ネトウヨたちの“アナログ力”は侮れない


『ネットと愛国』の著者である安田浩一氏は、ネトウヨたちを取材してきたジャーナリストだ。

「現在のネトウヨは裾野が広がった、といったイメージですね。高齢者が突出して増えたというより年齢層も満遍なく広がった。その結果、高齢者のネトウヨも増えたという感じです」

 また、高齢者ネトウヨが増えた背景には“差別の変容”もあるという。

「かつては見下す差別が主流だった。しかし、現在は“見上げる差別”が主流となっている。在日だから、特権があって恵まれてるんでしょ? ズルしてるから成功したんでしょ?という見方をされる。彼ら高齢者は自分たちが日本社会をつくってきた自負があるので、こういう見方をしてしまうのです」

 では高齢者のネトウヨにはどんな特徴があるのだろうか。

「若いネトウヨと比べて頑固な方が多いという印象は受けます。話を聞いてもこちらがメディアの人間とわかると、一言も口を利かなくなる方もいます。また、時間とお金に余裕を持つ方も多いですね。時間と暇があるので、行動に移すことも珍しくありません。今回の大量懲戒請求も“署名捺印して送る”という行為は非常に面倒ですが、彼らにとっては時間もあるし、今までアナログで散々やってきたことだから苦にならないのです」

 安田氏は、こうした高齢者特有の“アナログ力”には注意が必要だと指摘する。

「2017年に、朝鮮総連と関係の深い信用金庫に放火しようとして逮捕された65歳の男性は、取り調べで『ソウルの慰安婦像設置に抗議するためだった』と動機を話していました。ちょっと調べればわかるようなことでも、このように信じ込んでしまうあまりに、突発的に一線を越えてしまうことが高齢者ネトウヨにはありがちです。こうしたアナログ力はヘイトクライム(※人種などの偏見がもとで起こる犯罪行為)に結びつく危険性があるのです」

 こうした行動に移す高齢者ネトウヨの行為を安田氏は「歪んだ社会貢献」であるとも語り、高齢者特有のアナログ力と間違った形の危機感の共有は、とてつもない行動力を持つと警告する。“老人力”が間違った方向にいかないことを願うばかりだ。

【安田浩一】
ジャーナリスト。ヘイトスピーチを取材した『ネットと愛国』(講談社)が話題に。最新刊に『「右翼」の戦後史』(講談社)

― スマホで右傾化する高齢者たち ―





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