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日清食品・陸上部の縮小に駅伝ファン悲鳴「いつかこうなるんじゃないかと…」

逸材選手の今後に不安

 高校駅伝から社会人駅伝までの大ファンだという男性(47歳)は、今回退部を勧告された選手への心配の声を口にする。 「今は低迷していましたが、やはり華があるスターチーム。若くて強い選手も新たに何人か獲得していました。その彼らが今回走る場所をなくしたわけで、当然心配していますよ」

 日清食品グループは、退部を勧告した選手への支援を行うと発表しているが、「そんな簡単に済む話ではない」と男性は言う。 「実業団によって練習方針も当然違いますし、彼らは自分のためではなく会社のためにも走っています。部が縮小されたということは『会社が望む成果を上げることができなかった』と言われたも同然。選手はかなりショックでしょう。その気持ちで他のチームに移籍しても、なかなか良い走りができないのではないかと想像します。  しかも日清にいる選手はレベルが高いので、そこそこ強いチームに移籍したいと思うはず。そうなると当然層の厚い企業に入ることになるでしょうし、レギュラー争いは熾烈です。新参者がいきなり走れるほど甘い世界ではありません。逆に弱いチームにいけばこれまでの恵まれた環境とは大きく違うわけですから、残念ですが実力は落ちていく一方になると思いますね…」  また、今回内定取り消しとなった大学4年生の選手についてもこう言及。 「この時期の内定取り消しはしんどいですよね。もちろん、日清に入れるくらいの選手ですから、今からでもどこかしらのチームには入れるでしょう。しかし、他チームに入ることが決まっている選手は既に社会人に揉まれながら練習をしている。実業団では選手が練習を個々にやっている場合も多いのですが、やはりチームワークの面で遅れを取ることは否めません。でも入社してすぐにこうなるよりはマシだと思い、なんとか頑張って欲しいと思っています」  そして、今回退部を勧告された選手にも「出来れば競技を続行して欲しい」と希望を口にする。 「強いチームに入っても、弱いチームに入っても大変とは言いましたが、なんとか陸上を続けてほしい。退部を勧告された人の中にも、そう願うくらい有望な選手が多いんです。ニューイヤー駅伝を始め別の大会でも実力を発揮し、周りを見返してほしいと切に願っています」  突然の発表に困惑するファンたち。年齢的に引退をするのではないかと予想される選手もいると話をしてくれた2人は言うが、どの選択にせよ、選手たちにとって最善の道が用意されることを願う。〈取材・文/ロケット梅内〉
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