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「箱根駅伝2021」の無観客開催は可能なのか? 宿に対応を聞いた

 お正月の風物詩「箱根駅伝」。関東学生陸上競技連盟は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、来年1月に行われる同大会を「無観客開催」にすることを発表した。しかし、観戦にチケットが必要な他スポーツとは異なり、駅伝は誰もが沿道で自由に応援することができる。これをどれだけ規制できるのかは未知数だ。
箱根駅伝

今年1月に開催された第96回箱根駅伝当日、多くの観戦客で賑わっていた箱根湯本駅前の様子

 そんな中、駅伝をひとつの観光資源としている箱根の温泉宿にはどんな思いがあるのか、聞いてみた。

立ち直りかけた矢先のコロナショック

 世界中で新型コロナウイルスの影響が観光業に大打撃を与えているが、箱根においてはそれ以前から、観光に影響をもたらす災害があった。まず昨年5月、通称箱根山での火山活動の活性化を受けて、噴火警戒レベルが引き上げられた。これにより、箱根全体を危険と誤認される向きもあり、温泉宿では宿泊のキャンセルが相次いだ。  さらに同10月の台風19号は、箱根観光の重要な足となる箱根登山鉄道が土砂崩れで寸断され運休した。  このことについて、小田急リゾーツ担当者の近藤雅氏は、同社が経営する“山のホテル”からの回答として「相次ぐ自然災害の影響を受けて、回復する間もなくコロナ影響がおよびました」と、コロナが箱根観光の窮状にトドメを刺すように訪れたことを語る。

コロナによって受けた大打撃

 観光が瀕死の状況であった箱根を襲ったコロナ禍、旅館“瑞の香り”の支配人である松浦一弘氏は「4月~6月まで計画休業をしまして、4月の売り上げは対前年比で95%減でした」と話す。その中でも光明を求めて「自作動画での集客と、クラウドファンディングにチャレンジしました」と同氏。知恵を絞り慣れない仕事にも挑戦して、宿を守ってきたことを教えてくれた。現在も、密を防ぐため、意図的に客数を抑えた営業で、売り上げは前年の60%ほどに留まっているという。  前出の山のホテルも、稼働を制限して営業しているとし「レストランでのお食事を避けられるお客様の為に、ルームサービス付きの宿泊プランを開始しました」(近藤氏)と、苦しい中で各宿が腐心しながら、営業していることが伝わってくる。さらに同氏は「山のホテルが一番賑わう『つつじ・しゃくなげフェア2020』を中止にし、5月31日まで臨時休館したので庭園への入園もできませんでした」と、箱根の宿が経営ばかりか、同地の魅力を観光客に喜んでもらうことさえできない悔しさをにじませた。
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「無観客の要請」って誰がやるの?
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