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今の子供が一番欲しがるものに衝撃。小遣いも「スイカにチャージしといて」

目的はスマホゲームに課金するため…

 同じような経験をしたのは、神奈川県在住の会社員・藤巻さん(40代・仮名)。昨年の12月上旬、中学生と小学生の息子に「サンタさんにプレゼントは何をお願いするの?」と聞いたところ、なんとも寂しい答えが返ってきたのである。 「特に欲しいものないから、iTunesカードでいいよって。せっかくのクリスマスなのに、そんな味気ないもの、プレゼントしたくありません。もちろん、上の息子はすでにサンタを信じていませんが、それにしてもなあ、と。妻と相談し、結局は要望通りにiTunesカードをプレゼントしましたが、子どもたちはスマホゲームに課金して遊んでいるようです」(藤巻さん)  プリペイドカードやギフトカードさえあれば何でも買える。今日び現金と同じだと言っても過言ではないだろう。  また、我々がお年玉で買っていたものと、現代っ子がプリペイドカードやギフトカードを通して買うものは、そんなに大差ないのかもしれない。  我々が買っていたゲームもビデオも、音楽も本も、すべてがスマホで事足りるようになったということだ。それらを購入するには現金より、ギフトカードのほうが都合がよいのである。大人が思う以上に、子どもたちは合理的に物事を考えている。 スイカ

「ママにバレたくないからスイカにチャージして」

 たとえば、筆者も息子に小遣いをあげようとしたところ「ママに怒られるから、お金じゃなくてスイカにチャージして」と言われたことがある。その理由は、現金だとダメだが、スイカなどICカードなら母親にもバレないしOKだ、ということだった。正直、この上なく寂しい思いがした。  世界的に見ても、電子決済システムの移行が遅れている我が国。根強い現金志向が原因ともされているが、寂しいと感じた筆者は現金志向すぎるのだろうか。  現金には現金以上の価値がなかったか? おばあちゃんから貰ったお年玉だから変なことには使えない、大好きなおじさんから貰ったお小遣いだし、何か記念に残るものを買おう……こうした現金に宿る“気持ち”みたいなものがあったように思える。  一方で、カネはカネでしかなく、こうした“気持ち”とは別物という考え方もあるだろう。現代風な思考がこれだとするならば、我々と子どもたちの「カネ」に対する価値観は、すでに大きく違っているのかもしれない。<取材・文/山口準>
新聞、週刊誌、実話誌、テレビなどで経験を積んだ記者。社会問題やニュースの裏側などをネットメディアに寄稿する。
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