「足が冷たい男性」は重病の危険性あり!?
「冷え性は女性のもの」と思っている人は多いだろうが、最近は冷え性の男性も増えている。ニッセンが2015年7月に発表した「男女の季節感に関する調査」によると、自分が冷え性だと認識している男性は43%もいるという。またある調査では、男性でも約1割の人が「冷え性を辛い」と感じているようだ。手足の冷えに悩む男性の中でも、特に「足が冷たい男性」は危険だという。
「ずっと煙草を吸っていて、なおかつ足が冷える人は危険です」と警鐘を鳴らすのは、「足の診療所」医師・桑原靖院長だ。男性の冷え性の原因は、運動不足による筋肉の衰えやストレス過多、生活習慣病による動脈硬化などが関わっていることが多い。とりわけ高齢者は動脈硬化が進み、血流が悪化すると冷え性が起こることも多いが、この事例は喫煙者にも当てはまる。
「冷え性にはさまざまな原因がありますが、一番怖いのは『動脈硬化で冷える』ものです。冬場には寒さで血管が収縮し、脳梗塞や心筋梗塞で倒れてしまい、救急車で運ばれてくる人がたくさんいて、そういう人はなにも頭と心臓の血管だけがではなく、足の血管も詰まってしまうんですね。特に冬になると足の血管が詰まりやすくなり、そのまま足が腐って切断というケースが意外と多いです」(桑原氏)
喫煙により血管が細くなって血流が悪くなり「足の冷え性」を感じるというわけだ。具体的にはどういった症状が動脈硬化の予兆と言えるのだろうか?
「足の血管はいきなり詰まるものではなくて、動脈硬化で血管が細くなりだんだん詰まっていって、常に詰まっている状態が冷えの症状のひとつです。冬になって急に気温が落ちると、さらに血管がギュッと絞まるので足に血が行かなくなってしまうんですね。そうすると、最初は歩いていて足が痛いとか、疲れやすい、色が悪いなど、そういった症状が出てきて、そうこうしているうちに足の指が真っ黒になり腐ってしまうわけです」(同)
足の冷えを感じたら、まず足の甲を流れる血管の脈拍をとるのがいいという。
「煙草を吸う人や足が冷える人は、足の血管が触れるかどうか試してみてください。人の体で触れる脈は決まっていて、首のあたりや手首の内側・足の甲や膝の裏で、触りやすいのは手首の内側と足の甲ですよね。最初は細い血管から詰まっていきますから、正常であればドクドクいうのですが、ここで触れなかったら危ないです。脈の感覚がなかったら、まず医療機関に行ったほうがいいですね」(同)
自分は大丈夫、と放っておくのではなく一度確かめてみてほしい。
【桑原靖氏】
医師。埼玉医科大学医学部卒業。足の悩みを持つ人が多いにも関わらず、足を専門的に診る医療機関がほとんどないという状況に疑問を持ち、’13年に東京・表参道に日本初の足の痛み・変形に特化した「足の診療所」を開設
<取材・文/北村篤裕>
「足の冷え性」は動脈硬化の恐れあり
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