更新日:2021年09月10日 11:26
ニュース

沖縄の闘鶏で虐待発覚。傷ついた鶏が道端に捨てられる…伝統文化でなぜ?

クックハウス近く

本田さんのプレハブ近くの道路に捨てられていた、鶏の死骸

 それと同時に、嫌がらせと思われる行為も頻発している。 「わざとプレハブや玄関の前に、傷ついたり死んだりした鶏を置いていくんです。あるときは、ウチで保護していた鶏の一羽を、ダニがひどかったので外に出しておいたところ、何者かに首を切られていました。本当にかわいそうなことをしてしまいました」(本田さん)  今回の取材では、多くの関係者が口をつぐみ実名を隠した。しかし、本田さんは顔写真も実名も公表しながら活動している。 「そのほうが自分の身が安心かなって思っているんです。私に何かあったらすぐわかりますから」

県の自然保護課は「証拠がなく指導はできない」

鶏のヒナが袋詰めで捨てられていた

鶏のヒナが袋詰めで捨てられていた(そのうち何羽かは圧死)。メスは闘わないため、生まれると処分される

 現在、闘鶏は英国や米国などでは原則禁止されているが、日本で闘鶏を禁止している自治体は5都道県(北海道、東京、神奈川、石川、福井)のみ。本田さんは動物愛護団体などの協力を受けて、沖縄県に闘鶏禁止の条例制定を要請している。 「沖縄県警も、鶏の遺棄や虐待については動物愛護法違反として捜査を進めていると言っていますが、一向に犯人が捕まることはありません。県の自然保護課にもかけあったところ、傷ついた鶏の遺棄は『虐待』であることは認めましたが、『薬物を使用している証拠もないし、誰がやっているかわからないので指導はできない』とのことでした」  一方、「闘鶏は地域に根ざした伝統文化だから、なくならない」とA氏は断言する。 「地味に目立たないようにやっていれば、おとがめはない。警察や議員に言っても取り締まるわけがない。そいつらだって関わっているんだから」  これに対して、本田さんはこう語る。 「食べるためではなく人間の娯楽のために、生き物の命を犠牲にすること自体がおかしいと思います。いくら伝統文化といえども、時代の流れによって変わっていくべきではないのでしょうか」
次のページ right-delta
公開で行っている闘鶏関係者の困惑
1
2
3
週刊SPA!4/9 号(4/2発売)

表紙の人/ 山本舞香

電子雑誌版も発売中!
詳細・購入はこちらから
※バックナンバーもいつでも買って、すぐ読める!
おすすめ記事